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ー信頼ー81
「ご飯出来たぜー」
「ああ」
そう雄介は返事するとテーブルへと向かうのだ。
「今日は焼肉ー」
「おっ! ええねぇ!」
「ま、また……料理って言えるようなもんじねぇけどな」
「ええって、作ってもらったっていうだけでも感謝しとるしな」
「でも、雄介って何でも作れるのなぁ。 久しぶりに冷蔵庫の中、覗かせてもらったけど、たった一週間に一度しかない定期便で食料とか運んで貰ってはいるんだけど、その中から雄介は作ってる訳だろ?」
「ぅん……まぁな。 しかし、アレやなぁ、望の親父さん毎週、毎週、俺達の為に食材送ってくれてるんだよな。 食費だって馬鹿にならないと違うの?」
「そこは親父が俺達の事この島で働かせているんだからいいんじゃねぇの?」
「それで、給料も別で、それで、この島でお金を使う事なんて無い訳やし」
「貯金が貯まるよな? まぁ、俺の場合にはお袋に仕送りしてるからな。 それなら、いつもより多く送ってもいいかな?」
「……和也ってオカンに仕送りしておったんか?」
「あれ? 言った事なかったっけ? 専門学校に行ってる時に学費は親に出してもらってたからな。 だから、それを返してたんだけど、ま、それはとっくに終わってたんだけどさぁ、やっぱ、急に仕送りを止める事が不安になったっていうのか……まぁ、それに、もうお袋は仕事引退してるだろうし、一人だからなぁ、年金位だと食べて行けてるのか? っていうのが心配でもあるしな」
「……って、どれだけ、オカンに連絡してないん? まぁ、俺も人の事言えんけど……。 まぁ、ウチも親父がそろそろ引退の時期やろうしなぁ、気になってきたかも……」
和也の言葉で二人は親の事を思い出したのであろう。
そう、もう雄介の世代は三十代を越えているのだから、早ければ、その親の世代というのはそろそろ仕事的には引退の時期なのかもしれない。
「それを考えると医者には引退の時期っていうのはないやんなぁ」
「確かに六十歳を過ぎてからも頑張ってる人はいるしな。 でも、看護師はそんなに長く働いている人っていうのは見ないかな? 白髪のナースって見た事はないし、婦長さんとかベテランさんでも四十代って所なのかな?」
「まぁ、女性が体力的に頑張れるのはそれ位の歳やと思うからそうなるんやと思うねんけどな」
「なら、ウチのお袋はそろそろ御隠居生活を始める頃なんだろうな。 まぁ、後で久しぶりに連絡してみるかな? 今、俺が島で働いているって事も知らないだろうしな」
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