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ー信頼ー95

 望は裕実にそう言われて、やっと昨日の話し合いの事を思い出したのであろう。 直ぐに望は納得する事が出来たのだから。 だが雄介がキッチンに立ってないと逆にどうしたらいいのか? っていうのが分かってないようで、そこで迷っているようにも思える。 そう雄介がキッチンに立っていれば、会話のしやすいキッチンテーブルの方に座るのだが、今日キッチンに立っているのは和也である。 だからテーブルの方に座るのか? それとも雄介が座っているソファの方に座るのか? というので迷ってるらしい。 きっと、そこは素直じゃない望の性格が邪魔しているのであろう。 素直な性格であるならば、そこは素直に雄介が座っているソファの方に座るのだから。  気持ち的に考えた挙句、望はどうやらいつものテーブル席の方にしたようだ。 「雄介ー、飯、出来たぜ」 「ああ」  そう雄介は返事をすると、いつものように望の隣りへと腰を下ろすのだ。  そして手を合わせると、 「いただきます」  と言って食べ始める。 「んー、美味いわぁー。 いつも自分で作っておったから、たまには他人が作ってくれたご飯っていうのもええもんやんなぁ」 「まぁ、相変わらず、手の込んだ料理っていうのは作れないんだけどさ。 作らないっていうよりかはマシかな? って思っただけだからよ」 「って、料理ってな……上手い下手やないような気がすんねんな。 相手の為に作るって事が大事なんやと思うで、俺はいつもそう思いながら作ってるしな」 「まぁ、確かにそうだよな。 雄介ってたまにはいい事言うんだな」 「もう! 和也ったらー、そんな言い方だと雄介さんに失礼ですよ。 『たまに』じゃなくて、雄介さんの場合にはいつもいい事を言うなんですからね」 「んー、まぁ、確かにな……なんか急に成長したっていうのかな? 流石にもう体の方じゃねぇよ。 なんていうのか……精神的にとか人間的にっていうのかな?」 「それはきっと、医者という職業に自信が付いて来たからなんじゃないんでしょうか?」 「多分、そうなんだろうなー。 今は一人前の医者になれたって訳だしな」 「本当に凄いですよね。 雄介さんは努力して医者になってくれたおかげで今はこうしてみんなで夢を実現する事が出来たんですからね」

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