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ー信頼ー104
「ああ、和也宜しく!」
「俺は海に飛び込んで助けに行って来るわぁ」
「え? ちょっと、待てよ雄介! それは流石に無謀だろ! もう、こんなに海が荒れて来てるんだぞ! そんな中、泳いで行ったりしたら命落としに行くようなもんなんじゃねぇのか!?」
「それやったら、誰が助けに行くつっーねん! 男やってな、この距離を泳ぐのはかなりしんどい距離やぞ!」
「だからと言って、お前が行ったからってどうにもならねぇだろうが! それに今お前言ってたじゃねぇか、この距離を泳ぐのは大変だってな! それで、お前は行って帰って来たら、もっと大変になんじゃねぇのか!! それで、人を助けて戻って来るとなったら、もっと大変なんじゃねぇのか!?」
「せやけど、ここでただただ人がこの島に向かって泳いで来るのを待ってるって事、俺には出来ない性分やねんて……」
「それに、人を助けて、ここに戻って来るっていう自信はあんのか? 例え、昔、レスキューの時に人命救助した事があっても、もう、お前にはブランクっていうもんがあんだろうよ。 それに、もうあの時代から十年以上経ってる訳だしな。 だからもうあの時の体力なんかある訳がねぇだろうが! それに、今は装備も何も無いんだぞ!」
「あー……せやけど、悪い! 望! 俺にはただただ見てるだけっていうのはなっ!!」
そう言うと同時に雄介は望の静止を振り切ってまで海の中へと飛び込んで行ってしまうのだ。
「……ったく」
そんな雄介の姿に望の方はもう諦めのため息しか出ないだろう。
「しょうがないですよ。 雄介さんって人は人を助ける事に一生懸命な方なんですから……。 だから、ここは雄介さんが人を助けて来てくれるのを待ちましょうよ」
「だけど、こんなに海が荒れ始めているのに海に入るって、命を捨てに行くようなもんだろ?」
「まぁ、それは……確かにそうなんですけどね。 でも、雄介さんは昔、訓練してたみたいですから、僕達とは違って体力はある方なんですから、雄介さんの事、信じて待ちましょうよ」
「確かに前に俺達が船でアメリカに向かおうとした時、助けに来た事はあったんだけど、今はあの時と違うしよ。 装備とかも無い訳だし、やっぱり十年もそういう訓練も救助もしてなかった奴が人を助けるって事出来るのか? っていうのが分からないじゃねぇか……」
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