28 / 35

第28話 高ぶる感情 3

 しばらく目を見開いたまま固まっていた雪近は、ふと我に返ると吹き出すように笑う。そして顔に飛び散ったものを手のひらで拭い、それをべろりと舐めた。 「大悟さんあんまり一人でしないの? 結構濃いよ」 「最近は忙しかったんだ」 「じゃあ、結構溜まってる?」 「一回や二回じゃ収まんないかもな」  小さく首を傾げてこちらを見る瞳に、意地悪く口の端を持ち上げてしまう。そして乱雑に脚を掴むと雪近をベッドに転がした。脚をぐっと胸まで押しつけて、尻を高く上げさせると窄まりを指先で撫でる。ぐにぐにと柔らかなそこを押せば、指を飲み込もうとヒクヒクと動く。その動きに気持ちが一気に高ぶり、思わず唇を舌で舐めてしまった。 「早く、挿れてよ」 「駄目、まだ」 「え?」 「雪はこういうことされたことないだろ」  両足を肩に担いでぐっと体勢を低くすると、小さな孔を舌で撫で上げる。身体が跳ねて、逃げ出そうと身体に力が入るが、両手で腰を鷲掴みにしてそれを遮った。こちらをまっすぐに見つめる目を見つめ返せば、ゆだるように雪近は身体まで朱色に染める。その反応に俺はほくそ笑み、淡いピンク色の窄まりに吸い付いた。 「や、やだ。大悟さん、それやだ!」 「雪のやだは聞き飽きた。また言ったら次も指だけでイかせるからな」 「指じゃなくて、大悟さんの挿れてよ」 「挿れる前にたっぷりほぐしてやるから」  舌を伸ばしてひだを一つずつめくるように舐めると、内ももが小さく震える。唾液を含ませて奥まで舌を差し入れれば、上擦った声で駄目だと繰り返す。いやだの次はそれか、と思わず笑ってしまう。それでもしつこいくらいに内側を撫でてやれば、ゆらりと腰が揺れ始める。うっすらと開かれた赤い唇からは熱い吐息がこぼれて、見ているだけでイキそうなくらいに色っぽい。 「大悟さん、早く、挿れて。足りない」 「そんなに欲しいのか? さっきからヒクヒクして物欲しそう」  唾液と伝い落ちてくる先走りでびしょ濡れになったそこは、指と舌でいじられぽってりと膨らみひどくいやらしい。いまはもう三本の指を簡単に飲み込んで、うまそうにそれを銜えている。できればもう少したっぷりといじめてやりたい気持ちはあるが、訴えかけてくる視線がかなり切羽詰まっていた。

ともだちにシェアしよう!