「ヒナ～、今日もたくさんの予約入ってるよ～」 「ホントですか！？やった～！今日は頑張っちゃうぞ～」 「『今日は』じゃなくて『今日も』だろ？？」 「あはは、そうでした～…」 「今日は珍しく自宅の方に来てほしいっていうお客さんもいるから、気合入れて仕事してきなよ～！！」 「は～い♪」 僕は、碧　陽菜汰（あおい　ひなた） 年齢は２２歳で、普段は小中高生の家庭教師をしてる。 んでもって、夜にはこうやってゲイ風俗店でデリヘルもやってるんだ。 まぁ、なんでこんな事してるのかって……？？ それは、僕がゲイだから。 高校生になるまで、まったく気が付かなくて… どうして、女の子にはドキドキもしないのに、男子の着替えを見るだけでドキドキしたり、興奮するのかな…ってね。 僕は元々性欲があんまりなくて… 男子にエロビデオ…もといAVを見せられてから、自覚したんだけどねｗ 出演してるAV女優よりも、AV男優にドキドキしちゃってさ。 あぁ…僕の恋愛対象は女性じゃなくて男性なんだ…僕はゲイだったんだなって……。 でも、だからといって絶望したわけじゃないよ。 まぁ、叶わない恋しちゃって辛かった時もあったけどね。 だからこそ今の自分があるんだって、ポジティブに考えることにしたんだ！ それからかな～今の副業を始めたのは。 「ヒナ～、何ぼ～っとしちゃってんの！」 「あぁ、ごめん愛乃(よしの)姉ちゃん」 「まったく…。どうせ心の中であ～だのこ～だのって考えてたんでしょ？？」 「はい、ごもっともでございます……」 「私にかかれば、ヒナの考えてることなんて全てお見通しよ～？」 流石、愛乃姉ちゃん…恐るべし。 だから愛乃姉ちゃんには色々と頼み事とかしちゃうんだけどさｗｗ 愛乃姉ちゃんとは、店で働く前からの知り合いというか……。 親戚のお姉ちゃん…？いや、幼馴染かな。 小さい頃によく一緒に遊んでくれたんだ。 僕は昔から笑ってばかりいるか、泣いてばかりいるかだったの。 でも、愛乃姉ちゃんと出会ってからは、怒ったりもするようになったし、悩むようにもなった。 今の僕がいるのは、愛乃姉ちゃんがいてくれたからといっても過言ではないほど、愛乃姉ちゃんの存在が大きくて……。