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第12話

 あとがきまで開いてくださりありがとうございます。 ☆ページ数、文字数の話  この創作は、ファンタジー短編連作のスピンオフというつもりで書いていました。順番が変わってしまったのですが、他2作スピンオフを書くつもりがあり、その後からこういうのを書きたいというのが上がり、スピンオフ3作目にしようと思っていたわけではないのですが、この創作が真っ先に進んだためにスピンオフであると勘違いを起こし、書き始めた辺りから番外編ということになっているため世界観や地形は同じです。  ところでこれが本題です。本編最長11ページなのですが、今作も11ページで字数もおそらく最長11ページだった6作目より多いです。つまり本編のほとんどよりもページが多く、最長の本編6作目より字数が多いのです。このことは、ファンタジー短編に関わらず2018年から始めた短編BLが段々と長たらしくなっていることに自覚のある自分としては「ヤバいな」と思いました。纏める力がないか、こんな短い描写では2人の何を描けるんだ?と思った自分の筆力無さや判断力の無さかも分かりませんね。プロットの段階では4話か5話完結だったからです。おおよそ2倍です。 ☆名前の話  今回もまた図形や立体の外国語から名前を付けました。外国語を発音に近似したカタカナ表記にすると多少差異が出てしまいますが元の単語との違いを記しておきたいので、参考にさせていただいたとあるサイト様に準じたカタカナ表記をさせていただきます。 ・フォラン(デンマーク語/フォアン/foran/正面) 苗字→アヒター(オランダ語/ACHTERKANT/アッヒテゥルカント/裏) 没→シャールファス(フランス語/シュルファス/surface/表面) 妹へ→シャールファシー ・ベルフレイシェ(ドイツ語/Oberfläche/オーバーフレッヘ/表面) 苗字→ボーダム(オランダ語/BODEM/ボーデゥム/底) ・パラボレー(ギリシャ語/パラボレー/παραβολή/放物線)…地名 ・アイラーロ(ハワイ語/i lalo/イラロ/下)…県名 ・ライアディトラスリア(英語/rear/リア/背後)(スペイン語/detrás/デトラース/背後)…地名 ・ブネーデン(オランダ語/BENEDENブネーデゥン/下)…地方名 ※掲載されたサイト、表示する機種によって文字化けや表記されないことなどある可能性があります。  このBLファンタジー短編連作2作目辺りから長たらしい名前は省略形で呼んでいたり、親しさのバロメーターみたいになっていて、2作目から5作目は好き勝手に呼んでいたのですが今作はベルフレイシェをベルフィと呼んだりして反発されたりしています。基本的にファーストネーム呼びがデフォルトな世界観なのでファミリーネームで呼ぶとかなりよそよそしいです。初対面で尚且つこれからも関わることはないだろうと思っている、親しくするつもりはない、もしくは職務的でかなり形式張っているくらいの意味合いがあるのではないかと思います(この辺りは読んでくださった方々の判断に丸投げたいので断言しない)。 ☆食べ物の話  パラボレーはギリシャ語から地名を取ったのですが、イメージモデルはアメリカ合衆国フロリダ州のマイアミです。そしてエリプス=エリッセがイタリアのベネツィアです。4作目の主立った舞台は今作でライアディトラスリアという町だったと明かされた(明かしたつもりでいる)のですが、スペインのアンダルシアをモデルにしています。作中でエンパナーダとマリネ串焼きを食べたと話すシーンがあるのですが、それもスペイン料理をモデルにしました。エンパナーダはそのままエンパナーダなのですが、マリネ串焼きはピンチョモルノ(Pinchos morunos)から来ています。「ムーア人のケバブ」「モーロ風ピンチョ」という意味らしく、「ムーア人」や「モーロ風」をこの世界観に訳せなかったのでマリネ串焼きとしました。そしてコーラのことを胡楽蜜液と当て字しました。現在は違うようですが、もとはコカの実から風味付けされていたということで、胡椒や胡桃や胡麻などから擂り潰したり割ったりする小さな木ノ実というインスピレーションで『胡』という字、現代的でなおかつ自分としては美味しく、弾けるというイメージから『楽』を当てました。ですので正式な(?)当て字ではございませんので了承していただく。 ☆雑記  とある自分ルールによりかなり駆け足になってしまったので終わり方としては[D:12436]~んという感じである。ところで書いた本人として気になったのは、ベルフレイシェ、銀髪の青年くんのことはもう好きじゃないのか?という点だ。レイプなのか合意なのか彼の認識がかなり曖昧になっているが、フォランを好きだと告白している時点で彼の中では銀髪の青年への好意とはなんだったのだろう?と思ってしまった。そういうものなのだろうか…ひっきりなしに恋愛をしているタイプなのだろうか…ひとつの解釈として銀髪の青年にレイプされたことによってフォランからされていたことが自身にとってレイプではなかったと気付いてしまったのか。  それからシャールファシーなのだが、途中まで、実は男で弟ということにしておくか迷っていた。そして結局妹ということにした。 BLに主要女キャラは要らない、妹キャラは要らないという考えや趣向の人もいるだろうが、自分はそう思っていない。レイプというものに嫌悪を示せるならば女でないとダメだ!という、男の強姦被害を軽視したある種の、この時代にフィットしない差別意識が根幹にあることを自覚しているからだ。被害者が女である場合が多い感もあるが、表に出せないだけで男の被害も少なくはないのではないかと思ったりもするのである。根幹にある染み付いてしまった差別意識は自覚していても、自覚しているからこそ、積極的に排他し罵倒し嘲笑するなどの差別をしないように、かといって喚き立てることもないように努めたい。  シャールファシーは、メアリー・スーという作中に投影した作者自身、つまりわたくしを投影しているというわけではないが、どこか彼女にこの創作の薄汚いと自分が感じてしまったところの全てを押し付けてしまった感がある。  さらにBLというジャンルである以上、弟にした途端に弟からフォラン、フォランから弟、或いは弟とベルフレイシェに特殊な矢印が生まれて解釈される可能性を断ちたかったからである。といいつつも、あのシャールファシーという妹がベルフレイシェを異性として好きだったのかは謎であるし、「違う!」と断言はしない。というのも、読んでくださった方々の解釈に任せたいからで、明言したくないからだ。  ただ弟にしたって構わないといえば構わなかったくせに、結局妹のままに落ち着いたのは、先述の理由を考慮(あれ)すると否定(あれ)です。  またまた何だかお偉そうに語っていますがまだまだ隙だらけの構成力ではありますが自分の楽しい創作の趣味がどなたかにも楽しめていたならば幸いです。それではここまで読んでくださりありがとうございました!

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