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限界(龍之介side)

てっきり怒りに任せてゴシゴシ洗われるのかと思いきや、絶妙な指遣いに、喉がゴクリと鳴った。 「こりゃ、ちょっとヤベェな……」 頭皮は完全なる性感帯だ。 抱き合ってる最中にこんな風にやさしく頭皮をかき乱されたら……想像だけで、かなりクる。 ムクムクと頭をもたげ始める感覚に、薄目を開ければ、目の前の鏡にちょうど士郎の下半身が映っていた。 湯煙で曇っているかと思いきや、丁寧に曇り止めを塗ってあるのか、腹筋から危うい場所へと続くラインの色っぽさに、目が釘付けになる。 突っ込まないと言った手前、守るしかないが、これはかなりの拷問である。 はぁぁぁ、とため息をつけば、鏡越しにのぞき込んできた士郎と目が合った。 「おまえ……」 よほど欲情した顔をしていたのか、背後の身体が硬く緊張するのがわかった。 「……ンな意識されっと、収まるモンも収まンねーよ。ってか、オマエの指、マジ気持ちイイのな。……勃ったコレは放っといていーから、続けてくんねェ?」 訝しむような視線を送られたが、目を閉じて早くとうながした。 やがて、ため息の中、指の動きが再開された。 「……なァ」 「何だ?」 「……ガマンできねェ」 「……っ!?」 「……違ェって」 龍之介が苦笑した。 「触れとかヤらせろとか言わねェから、髪触られながら、コイツ擦りてェんだけど?」 「……っ」 「オマエもオトコなら、わかンだろ? ……切羽詰まってンだよ。オマエに手ェ出しちまう前に、ガス抜きさせろ」 「……っ、勝手にしろ!」 背に腹は替えられないと思ったのか、渋々ながら許可が出た。 「はぁ……、もうマジ、ガマンの限界」 すでに根元を押さえる必要もないほど、いきり勃った熱に触れると、トプッと溢れた蜜を全体に擦りつけるように、ゆるゆると扱いた。

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