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Xmas特別番外編「宿り木の下でKissをしようよ」1

「さ、これでよし、かな」 車のトランクに買い物袋を入れて振り返ると、祥悟はうーんっと伸びをして 「じゃ、買い物、それでもう終わりかよ?」 「うん。シャンパンも前に飲んで君が気に入ってたやつが手に入ったからね」 祥悟はちらっと腕時計を見て 「夕飯、どーすんだよ。これから帰って作んの?」 「いや。この時間からじゃ、あまり手の込んだものは作れないよ。温めてすぐ食べられるものだけ、買っただろう?それで夕食にしよう」 折角の初めて一緒に過ごすクリスマスイブなのだ。本当は祥悟の為に何か作ってあげたかったが、昨日まで〆切に追われていた。だから手作りは早々に諦めて、お気に入りのデリカでクリスマス用のオードブルとローストチキンを買ったのだ。 「ふーん。じゃ、もうマンションに帰るんだろ?」 言いながら、助手席に向かおうとする祥悟に 「いや、ちょっと寄っていこうか。あそこに」 そう言って、道の向こう側の店を指差す。 「あ…。あれって」 「うん。君、あそこのデザート好きだよね。すぐ帰るには中途半端だし、ちょっとお茶して行こうか」 甘い物には目がない祥悟だから、直ぐに食いつくと思ったのだが、彼はうーん…っと首を捻ると 「…なあ、智也…。おまえ、明日って何か用事あんの?」 「いや。君と過ごす初めてのクリスマスだからね。丸一日空けてあるよ」 祥悟はちょっとらしくない感じで、言い淀んでいたが、やがて首を竦めて 「んじゃさ。そこ寄るより……ちょっと行きたいとこ、あるんだけど」 「行きたい所?どこだい?」 「んー……。マンションじゃなくてさ、おまえの……じいちゃん家」 「えっ?」 意外だった。智也が目を丸くすると、祥悟はぷいっと目を逸らして 「あ。やっぱ無理だよな、今からじゃさ」 亡くなった祖父の家は、祥悟のお気に入りだ。 前から行きたいと言っていた。 「いや…。無理じゃないけど……これから行くと、そっちに泊まることになるよ?いいのかい?」 「ん。俺も明日はフリーだしさ。久しぶりにあそこ行ってのんびりしてえし」 「わかった。君が行きたいなら俺に異存はないからね」

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