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episode3-9
「着いたっと…。」
ウィーン、と自動ドアを入ってレジを見ると
あ、と侑稀の声が小さく聞こえた。
「京、早く着きすぎ。」
「ふつーだろ。10分前じゃん。」
「大学は30分遅刻のくせに。」
「……そーゆーこと言う?」
俺が言うと
いたずらが成功した子供みたいな顔で
侑稀は笑った。
「なぁ、夜何食いたい?」
「……いっつもウィダーインゼリー生活してる俺に聞く…?」
「いいからなんか食いたいもの答えろって。」
「んー…。」
侑稀はちょっと考えたあと
パスタがいい、と答えた。
「トマト系?塩?」
「トマト。でも固体入れないで。」
「わかってるっつーの笑」
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