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episode3-13

耳ならそんなに邪魔にならねーしあけてみる? なんて京は簡単に言うけど 痛いのはやっぱり怖い。 「………ちなみにそれ、病院?」 「いや、セルフ。ニードルであけるだけだし。」 「え、待って、自分で刺すの?」 「そ。俺うまいよ。」 「うわ、絶対無理怖い。」 そんな話をしていたら あっという間に京のマンションの前まで来ていた。 「でっかいマンション。」 「でっかいってほどでもねぇよ笑」 ほら入ろ、と京は俺の手を引いて エレベーターの中に乗り込んだ。 「侑稀、耳、見せて。」 「耳?」 さっきの話の続きかと思って 俺は自分の髪を少しだけかきあげた。

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