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episode3-20
「……悪い、無理させた?」
「…無理じゃ、ない。」
「じゃあもっかいしても、いい?」
俺が聞くと
物凄く控えめに、頷いたのがわかった。
「んんっ…。」
「…そんなに口、瞑らねぇの。」
舌でつんつんすると
一瞬びくっとしてから、そーっと恐る恐る
力が抜けていくのがわかった。
「……これ以上はしねぇよ。」
押し倒したいくらいなのを堪えて
頭をぽんぽんすると
侑稀はぽす、と俺の肩にもたれかかった。
「ん?…眠みぃの?」
「……うん。」
「ベッド行く?」
「……連れてって。」
「ふっ…。…そーやっていきなり甘えるのも、俺にだけな。」
侑稀の表情は見えなかったけど
これが全部無意識だというんなら
侑稀は恐ろしい奴だ。
【京side.end】
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