73 / 213

episode3-20

「……悪い、無理させた?」 「…無理じゃ、ない。」 「じゃあもっかいしても、いい?」 俺が聞くと 物凄く控えめに、頷いたのがわかった。 「んんっ…。」 「…そんなに口、瞑らねぇの。」 舌でつんつんすると 一瞬びくっとしてから、そーっと恐る恐る 力が抜けていくのがわかった。 「……これ以上はしねぇよ。」 押し倒したいくらいなのを堪えて 頭をぽんぽんすると 侑稀はぽす、と俺の肩にもたれかかった。 「ん?…眠みぃの?」 「……うん。」 「ベッド行く?」 「……連れてって。」 「ふっ…。…そーやっていきなり甘えるのも、俺にだけな。」 侑稀の表情は見えなかったけど これが全部無意識だというんなら 侑稀は恐ろしい奴だ。 【京side.end】

ともだちにシェアしよう!