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episode4-37
「…いきなりこんなこと言われても、なんのことって感じかもしんねぇんだけど、」
今のタイミングを失ったら
もう絶対に言えないような気がして
俺は、体だけ京のほうを向いて息を整えた。
「………俺にとって、京は、好きな相手、だから。」
だから、のあとの言葉は結局見つからなくて
俺は俯いていた顔をそっと上げた。
「っ、ちょ、待った、まだ顔あげんな。」
顔を上げた瞬間
京の表情を見る前に勢いよく抱きしめられた。
「今ひどい顔してっから。」
「……肩、熱い。」
俺の肩に触れてる京の顔が熱くて
その熱が伝染ったように、自分の顔も熱くなったのがわかった。
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