「ってか私先自己紹介しないと怪しすぎか。」 今まで京の方を向いて話していたその人は 俺の方をまっすぐ見つめて、初めまして、と言った。 「杉原律[ｽｷﾞﾊﾗ ﾘﾂ]って言います。あー、ちずとはまぁバイト仲間っていうか普通に友達なんだけど、」 「あ、ども…、高野侑稀です、」 そんなに見られたらどこに視点を合わせていいかわからなくて困っていると 侑稀君緊張し過ぎぃ、とミサトさんがカウンター越しに笑った。 「侑稀君ちょーっと最初はシャイだからねー、」 「べ、別にそんなことないっすよ、」 「えぇー？」 まぁ、私はもう相談事までしてもらえる仲だけどぉ？とミサトさんは冗談めかして言った。