5 / 5

空色3(よその子)

部屋には空調の微かな音がしており、ぼくは天井が高いなぁなんてどうでも良いことを考えていた。 現実逃避をしている間に、手にはしっかりとしたベルトが巻かれていてぼくが抵抗しない様にされている。 凄く手慣れて居ることから、こう言った事は初めてではないのだろう。 そもそも手に巻かれている物がここに有る時点で、この状況は計画されていたのかもしれない。 「うーん。拘束するつもりは無かったんだけど、やっぱりどうしても欲しくなっちゃって…」 「何をで…うぁ…冷たっ!」 アルガーさんはぼくの手首を拘束しているベルトを見ながら顎髭を撫でつつ微笑む。 その微笑みがあまりにも今の状況に合っていないせいかうっすらと恐怖を感じ始めた頃、胸に何かぬるぬるした物がぶちまけられた。 その液体のあまりの冷たさに体を丸め様としたが、手の間にあるコードをぐいっと引っ張られて腕が必然的に上がる。 「この別荘は坊や達と遊ぶための施設の一つで、こうやってユハニを招待できる日が来るなんて夢にも思って無かったよ」 「坊や…達?」 「やっぱり水分量の違いかな?坊や達は弾くような感じだけど、ユハニはしっとりしてるね。あ、コードは掛けちゃうね!」 胸にぶちまけられた液体を塗り広げる為にゴム手袋を目の前で装着したアルガーさんに、先程引っ張られたコードをベッドヘッドの突起部分に通されてしまった。 ぼくは完全に解体される動物の様な状態になってしまって、恐怖で体をずり上げようとしたがすぐにアルガーさんの手がぼくの胸をとらえる。 ぼくの呼び方も話し方も砕けた口調に変わっていた。 「肉付きも完璧で私好みだよ。私は引き締まった筋肉も好きだけど、ちょっと肉が付いている方が可愛らしくて好きだなぁ」 「やめてくだ…」 「もしかして身体を触られても全く感じない方?」 胸を遠慮なく揉まれるが、全く何も感じない。 むしろ胸にぶちまけられた液体を塗り広げられる不快感の方が大きかった。 足をばたつかせたぼくにアルガーさんは首を傾げる。 とりあえずぼくは身体をこの隙にずり上げて腕の拘束を取らねばならない。 「ひっ!な、何?」 「乳首は感じるんだね…じゃあ今から乳首ゴシゴシしてあげるね!」 アルガーさんの指が乳首に当たった瞬間、頭に電流が走った。 驚いて肩が揺れたのをアルガーさんは見逃すはずもなく、にっこりと微笑む。 親指と人差し指で乳首を摘まんで、指を優しく上下に動かしてくる。 ぼくの心臓は早鐘を打つという言葉がピッタリな程早く動いていた。 「あ、心拍数上がってきたね。大丈夫だよ。心配しなくても、ちゃんと乳首の皺にまで塗り込んであげるから」 「そんな、事言ってなっ」 「これは身体に良いものが沢山入ってるから、さっきみたいに身体の力を抜いていればいいんだよ?」 胸に手を置いているアルガーさんには当然心音は筒抜けで、その心音に合わせる様に指を動かされる。 時折乳首を強く押し潰されたり、捻る様に触られるのでその度に肩が跳ねた。 なんとか声を出さないようにする為に唇を噛みしめる。 しかし、アルガーさんは息が激しくなってきているのを気付いて居る様で更に刺激が強くなっていく。 「乳首ぷっくりしててかわいいよ!舐めてあげたいのは山々なんだけど、お腹も寂しそうだから後でね?」 「んっ…ふぅ」 アルガーさんの手が胸から離れて行く頃には、ぼくの息もすっかりあがってしまっていた。 走った後みたいな荒い息を何とか漏れないようにしているのが苦しいが、何とかアルガーさんにこれ以上悟られない様にしなくてはならない。 ぼくが息を整えようと必死になっているのを尻目に、アルガーさんの手が腹を通って太股に乗った。 「こっちも触っていくね」 「うわっ!やめ…やめて!」 なんの前触れもなく右足の膝に手を差し込まれて足をぐいっと持ち上げられた。 アルガーさんがぼくの足の間に身体を滑り込ませてきて、ぼくの持ち上げられた右足はアルガーさんの肩に乗せられる。 アルガーさんの指が尻の穴の上を撫でたので、ぼくは焦って手を伸ばそうとしたがガチャガチャっというベルトとコードを繋いでいる金具が立てる音しかしなかった。 「アナルは初めて?スッゴくぎゅうぎゅうだ」 「きもちわるいぃ。指うごかさなっ…いぎっ」 ぼくの制止など聞くわけもなく、アルガーさんの指が胎内に侵入してくる。 指を上下に動かされる動きがあまりにも気持ち悪くて、持ち上げられている足でアルガーさんの肩を蹴ろうとするのに体勢が不安定すぎて上手くいかない。 ぼくが必死に逃げようとしているのに、アルガーさんは本当に何でも無いような顔をしていた。 むしろ終始楽しそうで、口許には最初から微笑みがたたえられている。 「あ、前立腺みーつけた。プニプニ健康的なのにおっきくて弄りがいがあるね」 「うぐっ…やめて…離して!」 「大丈夫だよ。これはユハニが病気じゃないかの検査だよ?乳首を触ったのも胸に腫瘍ができてないか触診してたんだ。手を拘束したのも、最初は違和感が強いからね」 「そ、そうなんですか?」 お腹の中をぐにぐにと刺激されているのも、気持ち悪いが調べるためなら仕方がない。 何故手を拘束しているのかという疑問も解説されてしまって何も言うことができない。 あまり病気らしい病気もしたことがないので、アルガーさんの言う通り触診してもらった方が良いのかもなんて考えている間も胎内を指が蠢いていた。 先程の前立腺という箇所を押されると、背中にぬるま湯をゆっくり落とされている様ななんとも言いがたい快楽が背骨を伝って上がってくる様だった。 「あ!前立腺気持ちいいみたいだね」 「んんっ!」 「気に入ってもらえて嬉しいよ。じゃあ、筋肉も緩んできたからもう少し太いので擦ってあげるね」 アルガーさんが何かをしているごそごそという音が聞こえるが、良く見えなかった。 何か熱いものが穴に押し付けられたところで、ふと我にかえったが時すでに遅し。 胎内にアルガーさんのものが挿入される。 「ああああっ!」 「ふふふ。良い声。それに中も坊や達と違ってふわふわでヌルグチャだ。坊や達は力一杯締め付けてくるから引っこ抜かれそうなんだよね」 「くるっ…し」 「よかった。血はでてないよ」 指の時より腹部の圧迫感が強い。 孔の周りも押し広げられているせいかじんじんと痛みを放っている。 それなのに、アルガーさんはゆっくりと腰を動かしはじめた。 肉が外に引っ張り出される痛みに目の前が真っ白になる。 「ひっ。うぁ…あっ」 「ふふふ。気持ちいい?乳首もちゃんとナデナデしてあげないとね」 アルガーさんが前のめりになったことによって、胎内に挿入されたぺニスの角度が変わって変な声が出た。 アルガーさんは機嫌がいいのか耳元で囁きながら乳首を触ってくる。 いつの間にかゴム手袋を外したみたいで、親指の腹でピンピンと弾くみたいにされるとアルガーさんのペニスを締め付けてしまう。 「ユハニは気持ちいいこと好き?」 「あっ…なんで。なんでとまっちゃ、うんで…すか?」 そろそろ絶頂を迎えそうで、ぼくの腰が勝手に揺れはじめたのをアルガーさんは見逃さなかった。 アルガーさんの動きが止まってしまったのを恨めしげに見上げてしまう。 見上げた先にはニヤニヤと笑うアルガーさんの顔があった。 「これセックスしてるって分かってる?」 「えっ?これ…何かの検査なんですよね?」 「こんなスケベな検査、ポルノビデオでしかあるわけないでしょ?」 「そ、そうなんですか?そう言ったことには疎くて…」 突然言われた事に、ぼくはキョトンとして聞き返すとニヤニヤとしていたアルガーさんの表情が一変した。 なんとも言えない苦い顔をしたアルガーさんに、ぼくは首をかしげる。 確かに最初は変だなと思ったが、医療に詳しくなく縁遠いぼくはそんな物なのだと思ってしまった。 人間の男女のセックスですら、父親のせいでまともな知識はなくトナカイ達を繁殖させる為のの知識しかないのだ。 それなのに、男同士の娯楽の為の行為なんて考えもつかなかった。 父は自分の快楽の為に何人もの女性を拐っては子供を産ませてきたのだから、そんな男の子供の一人であるぼくにまともな倫理観があるだけ奇跡としかいえない。 性の知識なんて身近で見せ付けられていた男女の物しかなく、それも一方的な暴力しか知らないのだ。 だから、男のぼくが性の対象になるなんて思ってもみなかった。 「じゃあ、これからうんと気持ち良くなって、私無しじゃいられない身体になろうか」 「え?」 「ピストンは早い方がいい?それともゆっくり?」 「んむっ。ぷぁ…んっ」 腕の拘束が解かれ、アルガーさんの指がぼくの指に絡み付いた。 顔が近付いてきたと思ったところでキスされて、そのまま舌が侵入してきてディープキスされる。 最初はゆっくりだったピストンがどんどん早い物に変わり肌がぶつかる音がこだましていた。 キスされながら激しく突かれ、何度か絶頂をするがそれだけじゃ解放されない。 「もう…やだ。腰つらぁ」 「でも動いてるのはユハニだよ?」 「だって、アルガーのちんちん気持ちいいんだもん」 「ユハニは本当に快楽に流され過ぎたよ。そりゃ毒親の言いなりになるわけだ」 どれだけしているのか定かではないが、腰が怠くなってきているのにピストンをやめる事ができない。 何度目かの絶頂の後、名前を呼び捨てで呼ばないと乳首を引っ張るのを止めないと言われて強制的に名前を呼ばさせられたが現在見事に乳首はぷっくりと腫れてしまっている。 そりゃ舐めたり、噛まれたり、引っ張られたりすれば腫れるだろう。 今はアルガーの膝の上に座らされられ、腰を左右に振ってしまっている。 そんなアルガーが言うには、ぼくははじめて恋に落ちて手に入れたいと思った人物なのだそうだ。 最後の子供を手放して泣いてるぼくを見たら我慢ができなくなって身体を支配して自分の物にしようとしたらしい。 愛とか恋とか情愛って感情はよく分からないけれど、本来は若い子がストライクゾーンでそういう子達を囲っているらしいアルガーがそう言うのだからきっとそうなのだろう。 ぼくとしてはこの気持ちよさが今の全ての様な気がしている。 これからどうなるかは分からないが、今はこの気持ちよさがあればいい気がしてアルガーにキスをした。 人のぬくもりとは心地いい物なんだなとこの時改めて実感したのだった。 END Special Thanks!! 陸海空さん(@rick_kane_code) こちらのお話のお話のキャラクターは全て陸海空さんのおうちのお子さん達です。 書かせて頂きありがとうございました!!

ともだちにシェアしよう!