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「……」  好きだ。  ぽろりと零れ出た告白に、神谷は正面から答えてくれた。  ――好きだ、と。同じ言葉を返して。  柔らかな猫毛を撫でると縋るように俺に身体を寄せてくる神谷は、寝ている時とセックス中はすこぶる素直だ。  いつもこうだったら、可愛いと素直に言えるんだけど。  付き合うようになっても、神谷は俺に甘えてはこない。  他の奴と同じように、いつだって強がって平気なふりをして。素直とはかけ離れた態度で接してくる。  だから、つい俺もむきになって「性格悪い」となじられるような態度を取ってしまう。  俺のことを嫌いだったこいつと付き合えただけでも奇跡だというのか。それ以上は、高望みだというのか。  何度重ねたかわからない身体を強く抱きしめると、くぐもった声をあげて軽い抵抗をしてきた。  それでも、離しはせずに肩口に額をぐりぐりと押し付けた。 「なに、あつい、なにしてんのおまえ」  寝起き特有の舌っ足らずな声と、潤んだ瞳。  じわじわと下腹から熱が込み上げ、やめろ、と押しのけてくる手を掴んでベッドに押さえつけた。 「おはよう」ととびきりの笑顔で挨拶を返して。

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