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二話め
ちょっとおちゃらけてた翔来はすぐに俺たちの輪に入ってきて、放課後は毎日公園で遊んだりとかしてた。
翔来とはグループの中、いや学年の中で一番仲良かった自信がある。学校で何かあれば真っ先に俺に教えてくれたし、二人だけで遊んだりもした。他の奴らは二人だけ、とかはなかったらしい。
六年生にあがる頃には翔来と俺はセットみたいになってた。お互いの家にも行き来してて、両親公認の親友となった。
周りは少し色気づいて「誰が誰を好き」「誰と誰が付き合ってる」などという噂が出回るようになった頃、翔来はすごいモテていたのに誰とも付き合わなかった。それに俺は、翔来が俺の事を一番に考えてくれてるのがすごく嬉しかったから、翔来に「彼女なんて作らないで」とか、今考えるとよく言えたなと思う。
中学に進学すると翔来はますますモテることになる。同級生からはもちろん、先輩からも告白されることが増えた。翔来はサッカー部に所属して、一年ながら早速ムードメーカーとなっていて、さらに実力もめきめきと上げていたから、もはや学校一のモテ男なんじゃないかってくらいだった。
だけどやっぱり翔来は恋人を作らない。常に俺が一番だった。一度だけ何で誰とも付き合わないのかと聞いたことがある。
「うーん、……稜 が好きだから」
あははっと笑ってこっちを見た翔来に、俺は恋に落ちてしまった。もちろんこの発言はただのおふざけ。俺もお前のこと好きと返して二人して笑った。俺は自覚したと同時に報われない恋だなと思い、泣きたかったけど。
そんなある日、これまた学校のマドンナから翔来が呼び出された。俺は悟った。これで俺が一番の状態は最後になるんだって。特に何も用なんてなかったけど「早く帰ってこいよ」と翔来にお願いした。翔来はキョトンとしてから「うん」そう笑って教室を出ていった。
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