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三話め

「はぁッ!?お前麻理乃さん振ったの!」 教室に戻ってきた翔来に詰め寄ったのはクラス一チャラい奴。呼び出されたの見てたから気になったんだろう。俺だって気になってた。でもその声を聞いて俺は驚いて翔来を見つめた。翔来はチャラいのに視線を向けて話してたけど二言くらい言うと俺のとこに戻ってきてくれた。 そして 「お望み通り、早く帰ってきたぜ」 と頭を撫でられて、ぶわぁっと全身が茹だった。ますます惚れた。かっこいい。 俺は不自然に真っ赤な顔をしたまま礼を言った。 それからも翔来は変わらず俺が一番で、俺も翔来が一番だった。中学二年生になってもモテるのは収まらず当然の如く後輩からの告白ラッシュ。同級生や先輩は「翔来の隣は稜」という頭になってきて、そちらからの告白はかなり減った。 翔来は後輩から告白されてもやはり誰とも付き合わない。今はサッカーが忙しいから、と理由をつけて断るらしい。確かに夏からは二年生が主軸になるわけだから、それどころではないなと。だが俺とは遊んでくれることに少しだけ優越感を抱いていた。

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