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四話め

そして三年生になった今、俺は変わらず翔来が好きだ。 部活で鍛えられた体が美しくて、着替えの時とか見蕩れそうになって危ないのが最近困っている。 (だってかっこいいんだもん…) 自分に言い訳しながらチラと翔来を見た。…寝てるし。午後イチの国語は確かに眠気を誘う。だがそんな可愛い寝顔を晒していると女子の餌食になるぞ。隣の席を良いことに毎日チラチラと観察してる変態くさい自分が嫌だけど見るだけで幸せになれるから仕方ない。ちょんちょんとシャーペンでつつくとゆっくり瞼を上げた。そして俺の顔を見て「…稜」と目元を緩めた。 ……か、かっこいい。それにそれに、すっごい、えろい…。 危うく反応してしまいそうになって、自分を落ちつける。翔来は体を起こして、教師が黒板に向かってるうちに伸びをした。ワイシャツを少し捲っている翔来の手首がいやらしくて、もう目に毒。 俺は両手で顔を覆って極力見ないようにした。…のに、右手首を翔来に掴まれ、引っ張られた。 「ね、今どこやってんの」 だああああ、無理!囁かないでくれ! 耳のすぐ近くで喋られて思わず肩をすくめる。 「今は206ページの、十行目…」 「さんきゅー」 ぱっと離された手首が妙に残念だけど、うん触られた。翔来寝てたからか熱かったな。

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