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第13話

23時45分――。 壁の時計が真横になり、針はぼやけて見える。 僕は天井に向かって尻を突き出す格好で、アラタの指を受け入れていた。 「ああんっ……うう……」 内股が震えるたび、ローションがそこを伝い流れ落ちる。 少し前まで暑くも寒くもなかったのに、全身が汗ばんでいた。 静かな部屋にはお互いの吐息と、ぬめる水音が響いている。 「先輩、すごい汗かいてる」 アラタが浴衣の袖を使い、ローションで濡れている方とは逆の手で僕の額を拭いた。 「だって、アラタ……ひっ」 彼が中をかき回すたび、気持ちいいところを内側から押されて泣きそうになる。 息が乱れて苦しい。 でもやめてほしくなくて、僕は歯を食いしばり、両脚に力を入れていた。 残された時間は約15分。 ようやく僕たちは次の段階に進めている。 キスの次がこれなんて、まるでジェットコースターに乗ってるみたいだけど……。 口の中も後ろも、内側を相手に触れさせる行為は、好きじゃなきゃできないわけだしある意味同じだ。 そしてどっちも気持ちよさを求めていくわけで……。 そう、僕は今、自分でも信じられないくらい気持ちよくなっている。 「先輩のいいとこ……俺、ちゃんと分かるようになりました」 アラタが熱い吐息とともに、誇らしげに言ってきた。 ここまで大胆に踏み込んでくる、こいつがいろんな意味で頼もしい。 「でも、もう少し……奥まで入りたい。指じゃないの、入れてもいいですか」 切羽詰まった声が、生々しい意図を伝えてきた。 やっぱそうなるよな、こっちも男だし、当然そうなることは分かっていた。 「好きに、でも、優しくして」 僕は懇願する。 それと同時に、中にうまっていた2本の指が、ずるりと引き抜かれた。 実際のところ、アラタの指は人より長い。 そして彼の腰のところでさっきから浴衣を押し上げているそれは、もっとインパクトのあるサイズ感に見えた。 (本当に入れちゃうのか) 気持ちは怯えるのに、指を引き抜かれたその場所は、もう物足りなさを感じている。 「優しくできるかな……」 アラタが今さら、そんなことを言い始めた。 「待って、アラタ……痛いことはしないって」 「言いました。そのつもりです、けど……」 「けど?」 不安がよぎる中、下着をくつろがせたアラタが昂ぶりを僕に押しつけた。 「先輩がこんなにエッチだとは思わなかったから」 つまり僕のせいなのか。 ただこいつについてきたつもりだったのに、そんなことを言われてもどうしていいのか分からない。 「こんなエッチな先輩と繋がって……理性を、保てるかどうか」 「は――…」

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