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二十代前半の頃は年上の男性にじっくりいじめられるのが好きだった。しかし三十代を目前にして最近は、むちゃくちゃに抱かれるのがいいと思う。
「あっ!ああっ!あんっ!激しっ……」
後ろからテクニックも何もなくガツガツと抉られて、泣き声にも似た喘ぎが口の端から漏れる。よく言えば若さゆえ、はっきり言えば自己中な抱き方。でもそれでいい。
一生を共にするパートナーなんていらない。
今夜一晩だけの関係でいい。
愛してほしいなんて思わない。
バーで飲んだセックスオンザビーチのおかげで、少し酔っ払っている。しらふでない状態で、よく素性も知らない、でも可愛い男の子におかされる。
最高だ。
「あん!あっ!あっ……!もっと、もっと、激しく、してっ──」
自ら腰を揺らしておねだりすると、後ろの彼の興奮が広務の内で質量を増す。
「ヒロくん、めっちゃエロいね……。ねえ、僕、本気になっちゃいそう……」
その言葉を聞いた瞬間、広務の中ですうっと熱がひき始めた。
ああ、残念。
顔もセックスもすごく好みだったのに。
もう、この彼とは今日限りだ。
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