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第4話
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「はっぁ……あ、あ……!」
一気に溢れ出した快感に視界の焦点が合わないまま、志葉は荒い呼吸を繰り返す。
全身から力が抜け、気持ち良さに身体がビクビクと震える中、ふと視線を下ろすとひどく咳き込む亘と目が合った。
瞳に涙を溜めて懸命に酸素を吸い込もうとする亘を見て、ようやく志葉は自分のしたことを思い出した。
「ッ、ぁ、ごめ、亘くん、ごめん……ッ!」
とんでも無いことをしてしまった。
志葉はまだ朦朧とする意識のまま、壊れた玩具のようにただごめんと繰り返した。
喉を鳴らしながら必死に咥えていた亘の姿が鮮明に思い出される。いくら頭が真っ白になっていたとはいえ、苦しげに眉を寄せる亘を無視して自分は何度もーー
「ほんとに、っ、ごめ……ん!」
志葉は脱力して動かない身体に鞭打って、噎せる亘の背中に手を添えようと体を起こした。
が、次の瞬間、息も絶え絶え言った亘のその一言に志葉は絶句した。
「はッ、ぁ、初眞にいちゃんを、イかせたのは、俺、ですからね……ッ」
志葉の手が背中に触れるその直前、亘はさっきまでの苦しげな瞳から一変して、ギラついた好戦的な眼差しへと変わった。
その目は志葉を通して他の誰かを見据えているようだった。もしや、と思い振り返りーー確信する。
「はあ〜?志葉ちゃんがイったのはお兄さんの悶絶ハイパーテクニカル乳首責めのおかげだしー」
低い声に全くそぐわない、子供のような口調で男が言う。
亘が見据えていたのは他でもない、これでもかというゲス顔を披露している苺谷そのものだった。
煽るようなその言葉に、志葉はどこか既視感を感じた。
ーーまさか
気付いた時にはもう遅かった。
「なっ!?おじさんどこに目ついてるんですか!俺が喉絞めた時に初眞にいちゃんはイったんです!バーカ!」
「いーや、お兄さんが限界まで虐めたから志葉ちゃんはイったんです!あとバカって言った方がバカなんですー!」
予想通り、ついさっきも聞いたようなやりとりを完全再現し始めた2人に、志葉はもうなにも考えることができなかった。
「ほんと……なんなんだ、コレ……」
尚も小学校低学年レベルの悪口を言い合うエロ魔人(推定6歳)どもの間で志葉は、全て夢であってくれと、心の底から願って瞳を閉じた。
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