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第1話 百日間の受難

『前略 吉原一太朗(よしはらいちたろう)先生  ご所望の呪術用木像がやっと手に入りましたので、アフリカより謹んで送らせて頂きます。  アフリカ大陸トロドア共和国ネゴン村にて、自称二百歳のニゲ族大呪術師ロロバを一年かけて口説き落とし買いつけた、ブードゥの流れをくむニゲ族伝統魔術ヴォドによる、二百年前の白魔術道具です。  この『夜の(しゃく)』は祈りを捧げることにより『百日間の魂の浄化』をへて望みを必ず叶えると言い伝えられています。  大呪術師ロロバが、薬草とシュモクドリの糞を煎じたものをふりかけて、生贄を捧げ、魔力封印の儀式を行いました。  効果のほどは先生ご自身の目でお確かめください。非常に魔力の強い品であるため、細心の注意をもって保存して頂けたらと思います。  この資料が民俗学研究のお役に立てば幸いです。  では、再会できる日を楽しみに、先生の益々のご活躍を祈念しております。                       草々                    ロゲン大学民族研究室 大泉大志(おおいずみたいし)

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