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第76話*
「足をあげて、曲げて、両手で膝の後ろを抱える」
「ええ……」
「そうして目いっぱい外側にひらく」
「そんな。恥ずかしいです」
「恥ずかしがらせてるんだよ」
悪徳弁護士の顔になって、さあ、と促してくる。
「俺が赤ん坊だったときにさんざんしたろ。今度はこっちの番だ」
「……そんなあ」
宗輔は結構根に持つタイプだったらしい。結太は仕方なく言われた通りにした。しかし、嫌々をしながらも、実は胸の内にあるのは反対の感情だった。宗輔は口は悪いが、指先はいつも優しい。結太に快楽だけを与えてくる。だから、結太も宗輔を拒否することなく望んでしまうのだ。
足を抱えて、下肢が相手に丸見えになる恰好をする。薄い下生えに、勃ちあがったペニス、そして奥の収斂した小さな孔まで、歳の割には少年っぽい肢体があらわになる。
すると宗輔は瞳に今までにない欲望と情熱を湛えた炎を宿らせた。
「……すげ」
言葉づかいも乱れてくる。揺らめくような熱い視線を結太の股間に注ぐと、ローションで濡らした手で、性器全体を包みこむようにした。
「……あ、宗輔さんの指、熱っ……」
「お前のほうが熱いぞ」
お互い、相手の熱情にあてられているらしい。ぬち、ぬちゃり、と卑猥な音が、結太の足の間からこぼれる。それにあわせて、蕩けるような快楽がやってくる。宗輔の左手が結太の竿をいじめつつ、右手は奥へと進んでいく。ふくりと丸まった双珠の後ろ、滑らかな肌を滑って、とじられた場所に指先を侵入させてくる。
「……あ、あ」
結太の手から力が抜けて、足がおり始めた。それに宗輔が「こら」と文句を言う。
「足をちゃんとあげる」
「ふ、ぅ、ぅっ……。そ、そんな」
宗輔が指を増やしてくる。ここのところ、時間があるときは宗輔の大きな持ち物を受け入れるために道具を使って慣れさせられていた結太の身体は、宗輔の指を難なく呑みこんだ。
「あ、ん……っ、い、ぃい……」
内側の粘膜を広げられ、やわらかく指の腹で叩かれて、自分の下肢が立てる卑猥な音にさらにたかめられていく。
弓のようにしなったペニスは、扱かれて間断なくぬめった涙をこぼした。性器の後ろも前も弄られて、気持ちよさに頭の中が煮立っていく。
「やわらかくなってる。結太、もう、いってもいいか」
「……はい、い、です」
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