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空疎-kuuso-2
読者モデル同士で仲良くなり、繋がりが広がっていった。男女関係なく仲良くなっていき、それなりの関係になったりしたが女性には全く興奮しなかった。
男性の方が好きで、自分と行為を持ってもらおうと無理矢理関係を作った事もあった。
ただ、俺を求めてほしかったんだ…。
「はぁ、はぁ…」
「っはぁ…」
「…っ樹矢?僕のこと、好きだよね??」
情事が終わり、ベッドで休んでいると相手が俺に聞いてきた。
「んー…好きとかそう言うの分かんないんだよね。」
「……僕は好きだよ?」
「あー。うん。ありがとう。」
ドキッとしなかった。
嬉しさも無く、俺って最低な男だな。と心の隅で思った。
何回も付き合って別れてを繰り返して、本気で愛してるなんて相手に思う事もなく、ただ身体を求める行為を繰り返していた。
求められてる間は心が満たされる気がしていた。けど、行為を繰り返すたびに満たされている気がしているだけで実際は俺は本当の本気の愛情を求めているんだと気づいてしまった。
相手を思い合って、幸せにしたい、大好きで大切にしたい。そんな愛情を求めているんだ。と。
「ごめん、別れて欲しい。」
またこの子も違う。と別れを告げた。
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