115 / 227
高揚-kouyou-3
「っん…。んん…?」
愛しいお姫様の瞼がゆっくりと開いて視線が合う。
「しゆちゃん…。」
優しく、優しく唇へキスを落とす。
「みぃ…くん?どした…?」
イマイチ状況は掴めていない彼は、俺を見つめつつ寝起きの頭を懸命に動かそうとしている。
「あっ…。おかえり?」
少しの沈黙の後に出た言葉が予想外過ぎて俺は思わず笑ってしまった。
「ふふっ。ただいま、しゆちゃん!」
求めていた恋人の目覚めが可愛くて仕方が無くて、どこまでこの人は俺の事を自分の沼に陥れるんだろうと思ってしまう。
普段はしっかりしているのに実際はそんな事は無いのを一番知っているのはこの俺だろう。
恋人の帰りを待ちながら寝てしまう姿も、ご飯の支度を一生懸命する姿も、顔を赤らめ甘えてお強請りする姿も、全部全部俺だけが知っている俺だけのしゆ。
「樹矢?どした?」
覗き込んできたその顔にぐっと近付いて唇を寄せる。
「続き…。しよっか?」
そう言って、続き…?と不思議に思うしゆを優しくベッドに仰向けに寝かせて深いキスをした。
______
____
__
ともだちにシェアしよう!