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願い-negai-2
ポートレートを撮りつつ、移動は動画を撮る。
今までにした事無い撮影方法で気分が高まっていた。
彼女はminaと言う名前で活動しているらしい。
本名までは聞かなくても良いかと思い「minaさん。」と呼ぶようにした。
年齢は俺より年下な気がする。長い黒髪を綺麗に結って、白く綺麗な肌にスラッとした体型でまさに大人な女性と言った雰囲気な彼女は、笑うと少女のようだった。
「あ、minaさん。ここへ。」
路地裏の、更に入り組んだ中に入る。
自分の身長よりも少し高いブロック塀がずらっと左側に並び、右を見ると建物の壁だ。幅は狭くないが壁と塀に挟まれているせいで圧迫感を感じる。
動画用のカメラを回しながら進んでいくとブロック塀の上から咲いている一朶の紫陽花が見えた。
「この紫陽花…。すごく、惹かれます。」
青く綺麗な紫陽花。
周りを気にせず、その1つだけは塀を通り越して満開に咲いている。
「撮りましょう。」
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「本当にありがとうございました。とっても素敵な時間を過ごせました。」
「こちらこそ、楽しくて貴重な経験が出来て良かったです。」
撮影が終わる頃には空は真っ暗になって街灯がアスファルトの道を照らしている。
「動画は編集後アップするので良ければ見て下さい。あっ、これ一応私の名刺です…。須藤さんとの時間が本当に楽しくて、また撮影お願いしちゃうかもしれないです。」
そう言って笑う彼女は、また素敵だった。
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