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願い-negai-4
「んっ…。」
優しく優しくキスをする樹矢。
俺に自分の体重が掛からないように、膝を立てた体制で何度もちゅ…ちゅ…と音をわざと立てるように口付ける。
樹矢の指が俺の頬に触れる。
「そんな息切らして真っ赤な顔して…。」
ふっ…と嘲笑って俺を見る。
「何笑ってんだよ。」
馬鹿にしやがって…。俺だって男だぞ…。
少しイラッとした俺は樹矢の肩を持って、必死の力を入れて後ろに押し倒し返した。
思ったよりも樹矢はすんなりと倒れる。
仰向けに倒れた樹矢に馬乗りになって見下ろす。
形勢逆転だ。
「ふっ…。」
笑ったのは、また樹矢だった。
「なんだよ…。」
「いや、可愛いなって思うとつい、ね?」
俺のベルトに樹矢の手が掛かる。
「ちょ…。」
逃げようと腰を引いたけど、遅かった。
いとも簡単にベルトは外れ、ズボンを下ろされる。
「触ってないのに少し熱持ってる。溜まってた?」
「…るせっ。」
小さく反論してみた。
本音だったから。
樹矢とシたかった。そんな事自分からは恥ずかしくて言えない。
「好きだよ。しゆちゃんの全部が大好き。」
ゆっくりと、樹矢の手が動き始める。
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