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サプライズ-surprise-3

写真集のイベントで全国を飛び回るらしく、今日は都内で家に帰ってこれるけど、明日から地方行き。また少し離れ離れの生活になる。 寂しくなるけど、撮る側と撮られる側。 ちゃんと繋がっているという一つの物が俺達にはある。それが心を埋めるように感じた。 完成品をまだ見ておらず、イベントの後は早めのお疲れ様会を二人でする予定なので「その時にね。」と言われている為、楽しみに心弾ませる。 「俺も撮影に行くか。」 寝癖を軽く直して、サンダルを履いて家を出る。 ------- 「「かんぱーい!」」 お決まりの個室居酒屋で待ち合わせて、二人きりの打ち上げが始まった。 「んーっ!美味しい!今日は朝からスケジュールぎしぎしだったからまともに食べれてなくって、今さいっこうに美味しい!」 「お疲れ様。明日からも地方だし大変だな。」 「こんな時くらいしか全国回らないからねぇ。頑張って沢山PRしてくる!」 「あっ!」っと樹矢が言ったかと思えば、自分の鞄の中をガサゴソと探り出す。 「はいっ。しゆちゃんにプレゼントフォーユー!」 言い慣れない英語と共に差し出されたのは、白黒の樹矢の顔に白文字で"film"と彼の手書きの字が印刷された表紙の写真集だった。 「これ…。」 「夢だった俺達の写真集だよ。最後までちゃんと見てみて。」

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