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サプライズ-surprise-2

「今日、filmの打ち合わせしててさ、丁度成田さんに送られてきたしゆちゃんのデータ見せてもらって、もう…なんていうか、最高だった。」 食事をしていた手を止め、目の前の樹矢を見る。 「ありがとう。俺を照らしてくれて…。」 ありがとうはこっちの台詞だ…。 「俺の方こそ、樹矢の眩しい笑顔に照らしてもらってる。」 撮影じゃない時も、こうやって過ごす時も、何時も樹矢に照らされて俺は生きている。 「しゆちゃん。俺の笑顔、好き?」 首を少し傾げて聞いてくる。 「んなの…。」 好きに決まってんじゃん。 ----- 「じゃ!行ってきます!」 早い時間に身支度を済ませ、帽子を深く被り仕事へ向かう樹矢を玄関まで見送る。 「行ってらっしゃい。」 ちゅ。 「しゆちゃん、朝から誘ってる…?」 珍しく俺からキスするとこれだ…。 「っ…!んなわけねぇだろ…!早く行きなよ!」 顔が見えないように俯いて、樹矢の胸を両手で押す。 「帰ってくるの待っててね。愛しのお姫様っ♡」 捨て台詞を吐いて、俺の恋人は仕事へと向かった。 玄関を後にして、朝ごはんの片付けを始める。 ふと、カレンダーに目が止まる。 今日は二人共待ちに待った、写真集の発売日。

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