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シンパシー-sympathy-3
『開けて。』
口をパクパクさせて伝える。
ロックを外し、ガチャっと音が鳴る。樹矢の手によってすぐに扉が開くき彼の少ない荷物を助手席に乗せ、唯一携帯だけ持った彼は助手席の扉を閉めた。
後ろの扉が開くと俺の真後ろの後頭部座席に座り、シートベルトを締める音がした。
「よし、オッケー!」
元気に出発できる分かりやすい合図をバックミラーで確認すると、エンジンを入れる。
「行くよ。」
アクセルを踏んで発進する。
minaさんとの待ち合わせの場所に向かって。
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「あ、須藤さんー!」
車を駐車場に止めて、今日の待ち合わせしている場所の受付前へと歩いていけば既に彼は待っていた。
「おはようございます。」
「おはようございます。…あっ、え…えええ!」
俺の後ろに着いて立つ、隠れきれない身長の彼がひょっこりとminaさんの前に立つ。
「おはようございます。初めまして、minaさん。」
お決まりのスマイルを相手に振り撒く。
「せ、瀬羅樹矢!モデルの!何で…!」
この瞬間、今まで全く出さなかったminaさんの男らしさを初めて感じた。
口に手を当てて開いた口が塞がらないようで、かつ身体が少し震えていた。
「知ってくれてるんだ!ありがとう。瀬羅樹矢です。今日はよろしくね。」
手を出して握手を求める樹矢。
すぐに手を差し出すも、震える指先で樹矢に触れると樹矢が積極的に手を取って握手した。
「本当に女の人みたいだね。」
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