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I fall in love:運命的な出逢い④

***  数日後いつものごとく、デカ長に呼ばれた俺。 「水野、仕事したい?」 「何の仕事ですか?」  質問されてるのに、わざと質問で返す俺。この間の恨みがあるからね。 「したくないんだな。そうか、分かった。他のヤツに頼むわ。私立高の脅迫事件なんだけどさ」  私立高? もしかして―― 「ツンが……彼が通ってる高校ですか?」  俺が必死に食いつくのを予想していたデカ長は、口元を押さえながらクククと笑う。 「そうだ。昨日脅迫状が、学校に送られてきたそうなんだ。ついでに忙しい三課に変わって、例の高校生の感謝状の件も、打合せしてきて欲しいと頼まれてな。強盗事件で、てんやわんやらしい」 「はいっ! 喜んで仕事してきます」  ビシッと敬礼すると、心底呆れた顔をして俺を見る。 「山上のときといい何か潔いよな、お前さん……。普段グチグチ悩むクセに、気持ちが決まったら、まっしぐらみたいな」  確かに、デカ長の言う通りだ。 「デカ長がこの仕事を俺に頼まなかったらきっと……諦めていたと思います。有り難うございました」  微笑みながらペコリとお辞儀をしたら、頭上から困ったなぁ。の声がした。 「現職警察官が男子高校生に手を出す手伝いを、俺は自ら担ってしまったのか」 「大丈夫ですよ、デカ長。俺は一切、手を出しませんから。向こうから、手を出させればいいんですって」  声のトーンを落としながら言うと、すっごくイヤそうな顔をして一言。 「バカか、お前は。どっちにしろ、問題有りすぎだろ」  そう言いながら俺の頭を、グーで一発強く小突いた。  デカ長がアポをとってくれたお陰で、すぐにツンが通う高校へと足を運ぶことが出来た。高校に近づくにつれ、胸がドキドキする。  一度は諦めかけたのだ……相手が、未成年の男子高校生だからと。一目惚れだからキズは浅くて済むと思っていたのに、会いたい気持ちが募り、逆に苦しむ結果となって――  悶々と過ごしてる俺を見かねて、デカ長が声をかけたんだろうと、容易に推測出来た。 「まったく。なんだかんだ文句を言いつつ、部下の心配して、暗躍してくれるんだから」  今回の話だってきっとデカ長が三課から、話をわざわざ取ってきてくれたのだろう。ついでだから~とか、上手いことを言って。 「にやけてる場合じゃないぞ。仕事、仕事っ! 刑事モード全開にしなければ」  両頬をパシパシ叩いて、気合いを入れながら校門をくぐった。

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