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I fall in love:落としてみせる!④

*** 「デカ長、今度の日曜、有給使わせて下さい」  次の日、出勤してきたデカ長に向かって、丁寧に頭を下げた。 「急にどうしたんだ?」 「実は、翼の家に行くことになりまして……」  おどおどしながら言う俺に、垂れた目を見開いて驚くデカ長。 「お宅訪問ってお前、一体何をやらかしたんだ?」  その台詞にわざわざ上田先輩が振り返って、俺の顔をまじまじと見つめてくる。 「ミズノンってば顔に似合わず、手が早いんだね。昨日の20分の逢瀬で、何をやったんだよ?」  家に呼び出されるなんてさと言いながら、俺の体に遠慮なく肘を当ててくる。そういう誤解されることを、普段からやってるのかな。 「上田は席に戻りなさい。話がややこしくなるから……で、水野は何をやったんだ?」  しぶしぶ席に戻った上田先輩を確認してから、改めてデカ長が問いかけてきた。 「翼が大学受験辞めて、警察官になるって言いだしたんです。お父さんがえらく、反対しているそうで。その説得に、俺が出張ろうってことになりました」 「――間違っても、息子さんをください。何てことを言うなよ。休んでいいから」  それに対して文句を言いたいのは、やまやまなれど(俺がお婿さんに行こうか!? なぁんちゃって)ここは翼の将来がかかっているので、真面目に対処しようと考えていた。 「デカ長、ありがとうございます!」  勢いよく頭を下げて、自分の席に戻ろうと向きを変えたら、すぐ傍まで関さんが来ているではないか。  しかも、それはそれは、かなり不機嫌なご様子だ……  ――眼鏡の奥の目が怖い。俺の顔を、すっごく睨み倒しているよ。 「監察官から、直々のお呼び出したぁ水野。覚悟しておくんだな」 「あ~あ、バレちゃったんだね。ご愁傷さま」  デカ長と上田先輩が何故か、嬉しそうな顔して、手を左右に振ってくれる。 「何で呼び出されるか、分かっているよな水野くん」    俺は曖昧に頷いて、関さんに監察室へと連行された。

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