4 / 4
《寮にひとり》
「あーやば、熱あるわ」
寮の自室でボヤくのは幸田瞬助。
体温計を見てため息。
「風邪かな、咳も出るし今日は休むか」
こんな時、同室の楠木がいたら、学校に欠席伝えてもらえるのに…
「電話しよ」
同室者の楠木コウジは、数日前から寮には帰って来なくなった。
それは、俺が…楠木にキスしてしまったから…
あのあと、楠木と話をしたくても、思いっきり避けられて…言葉を交わしていない。
俺自身、なんで楠木にキスをしてしまったのか、理由を聞かれてもはっきり答えられないけど…
強いて言うなら、楠木を振り向かせたかった…
何かに悩んでいる楠木を…そんな顔をさせたくなかっただけ…、
半年クラスメイトにルームメイトでやってきて、楠木のこと、結構気に入ってた。
まあ、見た目が可愛いっていうのも多少はあるけど、優しいし、一番は付き合いやすい性格がいい。
だから、ここ数日、無視されて、楠木から避けられている事に、結構ダメージ食らってる。
確かにいきなりキスした俺が悪いけど、少しだけ楠木の範囲内に入って行きたかっただけ…
「とりあえず、くすのき…寮に帰ってきてくれよ」
ベッドに横になったまま呟く。
「お前がいないと、なんか、物足りない…だろ」
熱があるため、朦朧と呟きながら瞳を閉じて眠ってしまう幸田瞬助だった。
番外編終了。
【意地とプライド】本編《友達のキス》へ続く。
お付き合いありがとうございました(^^;;間に合ったかな(^^;;へぼくてごめんなさい。悠希乃諒。
ともだちにシェアしよう!