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第1話

走ることが好きだった。 風を切って走るのは、日々のストレスから解放してくれるみたいだから。 「やったよ!自己ベスト!!」 「ほんと!?」 ゴール地点に着くとすぐに女マネがストップウォッチを持って俺に近付いてきた。 俺は息を整えながらマネージャーが書いている記録表を覗きこむ。 確かに前回よりは少しだが早くなっている。 「高橋(たかはし)くん最近調子いいね!早退することも少なくなったし!」 「そ、そうだね…」 女マネの言葉に俺は苦笑いを浮かべ、垂れてくる汗を手の甲で拭った。 「佐藤くんの事は本当に残念だったけど、今は気持ちを切り替えて大会に向けてがんばろう!!」 「あ、あぁ…うん。そうだね」 俺は生返事をしながら、自分のシューズを眺める。 数日前に突然友人である佐藤 美波(さとう みなみ)が失踪して、その後学校に退学の手続きの書類が送られてきたと先生達が言っていたのを耳にした。 中学まで入院で不登校がちだったらしい美波が学校を辞めたのは瞬く間に学校中が知ることとなり、様々な憶測がされた。 重い病気にかかったのではないか、イジメにあっていたのではないかなど様々だ。 そんな美波と一番仲良くしていたのが俺、高橋 己咲(たかはし みさき)だった。 先生達には美波が来なくなってから暫くして原因を知らないかなど色々と聞かれたが、俺は何も知らないし聞いていないと言うとそれ以上は聞かれなかった。 それから突然の出来事に俺が落ち込んでいるのではないかと周りが色々と気を使ってくれている。 「じゃあ、もう一本走ったら休憩ね!」 「おっけー」 女マネに言われ、俺はスタート地点に足早に戻っていく。 + ガチャッ 俺は玄関を開けるとうっすら開けた扉から家の中へ身体を滑りこませた。 靴を脱ぐと、すぐにキッチンへ向かい買ってきた物を冷蔵庫に押し込んでバスルームへ向かう。 服を全て脱ぎ去りワイシャツなどを洗濯機に放り込み洗面台の上に置いてあった首輪を取り、首に着ける。 湯沸し器のスイッチを押すと、俺は足早にバスルームを後にした。 「あっ、あんっ、だめっ…ひぃぃぃ」 素肌に首輪だけどいう格好で寝室に向かうと、部屋は独特の熱気に包まれていた。 ドチュッドチュッという衝撃音と喘ぎ声が響いている。 「ただいま…戻りました」 「あ、(みなと)良かったね!己咲が帰ってきたよ」 「はぁ…はぁ」 俺が声をかけると、小肥りの男が組敷いている相手の頬をぺちぺちと叩いている。 そんな男に犯されていた相手は、既に満身創痍で意識を保っているのがやっとの様だ。 男に組敷かれているのが、俺の友達でもあり失踪したと言われている美波。 でも本名は渡部 湊(わたなべ みなと)と言って、男に人生を狂わさせられた一人でもある。 「己咲!湊を風呂に入れてお前も腹のなか洗ってこい」 「は、はい…」 男が湊から離れるとゴブゴブという音を立てて男が中に出したものが逆流してシーツを汚している。 「ほら、湊!」 「んぶっ、んぐっ」 男は湊の頭を掴んで口に自分の物を押し込むと無理矢理頭を動かした。 苦しそうに男を押し返そうとしている湊の手は絡め取ら意味を成していない。 数回口の中を往き来した男が自身を口から引き抜くと、湊を放り投げる様な感じで放置してベットから降りてキッチンへと消えていった。 「み、湊ごめん…ごめん…」 「みさ…き…だぃじょうぶだから」 ベット脇で待機していた俺は急いでベットに駆け寄ると湊の手を取った。 俺は湊に必死に謝る。 今湊が置かれている状況に、俺もその一端を担ったことに罪悪感で押し潰されそうになる。 男の指示で湊を誘拐する手伝いをさせられたのだ。 「夜はゆっくりしてていいから。さぁ…風呂に行こう。立てる?」 「みさ、き…」 俺は努めて明るく話しかけると、湊が自分も辛いだろうに心配した様な顔をする。 「大丈夫だよ。最近は早く寝かせてもらえてるから」 「…っ」 湊を安心させる様に笑いかけてやると、無言で俺の手を取って起き上がる。 湊が起き上がる為に身体を前屈みにするとまた腹の中から音を立てて精液が逆流してくる。 「はははは」 湊へ肩を貸しつつキッチンを横切ると、男がビールを飲みながらテレビを見ている。 それを横目に俺達はバスルームへやって来た。 湊は立っているのもやっとなのか膝が笑ってしまっている。 「足気を付けてね」 「うん」 湊は疲労で船を漕ぎ出すが、後始末をしてやらないと後から辛いのは湊だ。 「ごめん…中の掻き出すよ」 「うんっ、うぅ」 バスチェアに座らせている湊の孔に指を差し込んで中を掻き出してやる。 バスチェアは座面の真ん中が凹んでいて、あらゆる方向からでも局部を触ることができる。 いわゆるスケベ椅子と言うものだ。 湊を俺にもたれ掛けさせ孔を弄るとゴプゴプと空気を含んだ精液が椅子の凹みの部分に落ちる。 シャワーをかけてやってから、バスタブの中へ入れてやると再び、こっくりこっくりと船を漕ぎ出す。 「ふぅ」 俺は大きなため息を吐くと椅子を洗って片付け、今度は自分の身体を軽く洗い流す。 後方に手を伸ばし孔をほぐしながら中の洗浄も行った。 今ではこの作業もすっかり慣れたが、男の元に引き取られた時は何が何だか分からない状況に泣き喚いたものだ。 「じゃあ、おやすみ…食事は冷蔵庫だから起きたら食べとけよ?」 一応建前的に俺の部屋は用意されている。 部屋にあるベットに湊を寝かせて、俺は重い足取りで男の寝室に戻った。 「あーあ。待ちくたびれたぞ…何をモタモタしてたんだ」 「スミマセン」 「まぁいいや…ケツ苛めてやるからこっちこい」 「はい」 男がベットにふんぞり返っているので、おずおずと男に近付く。 俺はベットの側に膝をついた。 頭を低くして、お尻を男に突き出すようにすると男からは下卑た笑いが漏れる。 「んぎぎっ」 「なんだよ…まだ生意気に嫌がるのか」 「ひっ、違います!ごめんなさい!ゴメンナサイ」 前触れもなく、孔にベットに転がっていたのであろうテカテカと濡れ光っていたディルドーを押し込んできた。 その時思わず身体が反射的に逃げをうったのが男は気に入らなかったのだろう。 髪の毛を掴まれ、そのディルドーを抜けるギリギリまで引き抜かれる。 「んぎっ!!」 勢いをつけて最奥まで押し込まれ、その衝撃に目の前が一瞬真っ白になる。 「ほら呆けてないで、いつもみたいに舐めろ」 「は…ひぃ」 尻を叩かれるべチンという音の後に、俺は上半身を起こす。 這うように男の股ぐらに顔を近付けると、独特の熱気と臭いがする。 男の物を口に含み、口をすぼめながら頭を前後に動かす。 「いい加減喉の奥使える様にしとけよ…」 「んごっ」 「おっ?何だ…おじさんに苛めて欲しくて嫌々してたのか。喉の肉キュンキュン締め付けておじさんに絡み付けてかわいいね」 喉が状態反射で締まったらそれに気を良くした男が更に腰を進めてくる。 鼻に当たる陰毛も既に気にならない位、俺は酸欠のせいで意識が朦朧としていた。 今は何とか気力だけで動いているという状況だった。 「うげっ、ゲホッ」 「まだ苛めて欲しそうだから、まだ出さないであげるね」 口から引きずり出されたモノと一緒に唾液がボタボタと床に落ちる。 後で片付けなきゃと場違いな事を思いつつ、俺は空気を取り込んでいた。 「ほら今日は湊を使って疲れたから、自分で跨がれ」 「はい」 男が仰向けにベットに寝転んで、ぺニスだけがいきり立っている。 男のぺニスは俺の唾液でテカテカと光っている。 今日もこれから長い長い夜が始まるのだ。

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