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第34話

リビングへ戻って来たところで、男にピザの箱を取り上げられる。 男がリビングのテーブルの上にピザの箱を置くのを見届けたところで、手を取られ男と一緒にソファーに座るかたちになった。 現在、膝の上に股がる様に男と向かい合わせで座っている。 「さぁ。お尻いじいじしながらご飯も食べさせてあげるね?」 男が俺の頭を撫でてくるが、男の楽しそうな声に俺は震え上がった。 Tシャツを脱がされ、床に落とすとブカブカのズボンを引き下げ尻が露になる。 布で遮られていた音がダイレクトに聞こえ、俺の頬が更に熱くなるのを感じた。 「おじさんが箱を開けるまで、己咲がバイブずぽずぽしててね?」 「は、はい…」 男にまたしても手を取られ、尻から出ているバイブの端を掴まさせられる。 抜き差しするにはどうしても腕の長さの関係で前傾姿勢にならざるをえない。 そのためどうしても男に体を預ける様なかたちになってしまう。 おそるおそる男の肩を支えにバイブをゆっくりと引き抜く。 バイブは振動しているので、下手すると絶頂してしまうかもしれないと思ってゆっくりと抜き差しをするとモーター音にかき消される程小さな水音がする。 耳元では男のクチャクチャという咀嚼音がしていた。 「ほぉうら。己咲もおじさんとピザ食べようねぇ?」 「んっ!!」 顎を捕まれ、上に向かさせられた事で体制に無理がありバイブから手が離れた。 ヤバイと思う前に、男にキスされ口の中に噛み砕かれた食べ物が流れこんでくる。 口の中の物を飲み込んでも男が離れる事は無く、そのまま舌を絡めてきた。 バイブを落とさない様に孔に力を入れると、必然的にバイブを締め付けてしまって体が追い込まれていく。 「ピアス引っ張ってあげるね」 「いたっ!」 やっと口が離れていったかと思うと、乳首に取り付けられているピアスをぎゅっと引っ張られる。 ピアスホールは安定しているものの、引っ張られるとやはり痛い。 痛みに体の力が更に入ってしまい、バイブが膣圧で抜けていく。 「やっ…ぬけぅ!!」 ゴトンとバイブが床に当たる重い音がした。 すぐにバイブが動いているガタガタという音が部屋に響く。 俺はバイブが抜けた余韻に体が小刻みに震える。 「乳首引っ張られてイッちゃったの?己咲は本当にマゾだよねぇ?」 「ゴメ…ごめんなさっ!!」 「何謝ってるの?自分が悪いことしたって自覚でもあるのかな?」 「バ、バイブを…勝手に落として…お゛ひっ!!」 男が楽しそうに顔を覗きこんでくるので反射的に謝るが、その言葉にさえも楽しそうに質問をしてくる。 何とか男の求めている言葉を紡ごうとしたところで男の指が挿入されぐにぐにと動かされた。 男の太いで拡げながら前立腺を刺激される。 「汚い喘ぎ声出てきちゃってるって事は…あはっ。スッゴいお尻からエッチな音がしてる」 「やっ…きかな」 「グポッグポッてまるで息してるみたいだね?」 男に挿入されている指を大きく左右に開かれた事で、孔からは粘着質な音がしている。 聞かれたくなくて男に手をのばしたが、すぐにキスされ身動きが取れなくなった。 男の舌が咥内を這い回り身体は絶頂を迎えているせいで震え、孔がたてるグボックポッという厭らしい音と舌を絡めるぐちゅぐちゅという音が部屋に響く。 「勝手に玩具とおじさんの手マンでお尻パクパクさせながら逝っちゃって、本当に己咲はおじさんに飼われる為にこんなにスケベに産まれてきたんだね」 「やっ!今、いれな…あ゛あ゛っ」 「ふふふ。逝ってる時に挿入すると、初めてした時みたいにぎゅうぎゅう力いっぱい締め付けて来るんだよね。でも、あの挿入した時に力いっぱい締め付けて来るのを割り開いていく感覚懐かしいなぁ」 「ぐっ。お゛ぎっ!あ゛っ」 「己咲は毎日使って緩くなってきちゃったし、子供作れってうるさいからそろそろ新しいでも飼おうかな」 男がニヤニヤ笑いながら、絶頂している俺に挿入してくる。 下から突き上げられて、男の膝の上という不安定な場所なので安定を求めて男に抱きつくしかない。 俺の尻を叩いて笑う男の不吉な言葉に、俺は頭から冷水をかけられたみたいに背筋が凍った。 時間をかけて身体を開発・改造されるのを受け入れてきたのは俺に他に逃げる場所がなかったからだ。 日常生活に支障が出る様な身体にしておきながら、今更新しいを飼おうとしている。 新しいが来るとなれば俺はお払い箱だろう。 男に揺さぶられながら、俺の頭はどんどん冷えていく。 「おじさん疲れちゃった。今度は己咲がおじさんを気持ちよくする番だよ?ほら乳首は弄っててあげるから」 「・・・・」 「新しい家族が増える事に嫉妬しちゃったのかな?大丈夫だよ己咲は大切な家族なんだから」 返事をしない俺に、男から心にもない言葉を投げ掛けられ俺は益々冷静になる。 男は俺の事など家族などと思ってもいないだろうし、本物の犬や猫の方が俺より良い暮らしをしていると思う。 俺は多淫の男の体の良い肉穴でしかない。 身体はどんどん追い上げられて行くのに、気持ちはついて来てなかった。 「新しいの事はもうちょっと先かなぁ。己咲がこんなにヤキモチ焼くなんて珍しいからね」 自分だけ気持ちよくなった男は、息を整えている俺を見下ろしながら気持ちの悪いニヤニヤと笑った。 孔からは男の出した精液が逆流してきて、床に落ちていく。 早く風呂に行かなきゃ腹の調子が悪くなると思いつつ絶頂の余韻で身体が震える。 何度も体位を変えて抱かれ、上からも下からも精液を注ぎ込まれ意識を失いかけた頃にやっと男から解放された。 「さぁ。ご飯も食べたし、気持ちよくもなったからおじさんお風呂に入って寝ようかな?おトイレやお風呂寂しくても一人で行くんだよ?」 「は…い」  男がスタスタとリビングを去っていく。 俺は息を整えながら何とか返事をした。 ソファーにM字に足を曲げて組敷かれていたので、ソファーが汚れるのも気にせず身体をずり上げ足を下におろす。 手を顔に持って行き、自然に溢れる涙を拭いながらしばし天井を眺める。 「明日…学校に行ったら…」 どうしても言葉が続かなかった。 学校に行ったらクラスメイトにお礼を言って、そのあとくだらない会話をして笑いあうのだ。 男の事は好きだが、いまだにこうやって抱かれた後に捨てていかれるみたいに男が去って行くと涙が出る。 最終的には自分から求める程目先の快楽に溺れ男に抵抗できない自分に対して悔しくて情けない気持ちでいっぱいになるのだ。 「はやく行かなきゃ…」 少し泣いたあと、ソファーからゆっくりと起き上がり風呂場に向かう。 風呂場に向かう途中、孔からは更に男の精液が溢れてきて太股を流れ落ちてくる。 ぽたぽたと俺が歩くと床に精液が道しるべの様に落ちるが、後から片付けるので気にせず風呂場に向かう。 男が風呂に入った後だからか、浴室の床が濡れている。 首輪を外して脱衣場に置いて浴室に入るとシャワーのコックを捻ると、すぐに温かいお湯が出てきた。 身体を石鹸で洗い、準備をする時みたいに中を綺麗にしていく。 男に散々抱かれた後なのに、俺の身体は浅ましく快楽を拾ってしまう。 中を綺麗にする為に自分で孔に挿入した指を身体が勝手に締め付ける。 男に出された精液を掻き出す為に指を曲げたのに、それにも身体は反応した。 「くそっ!」 早く精液を掻き出さなければいけないのに、自分の指に感じてしまって中々作業が進まない。 背中に当たるお湯にも肌が粟立つのが忌々しく感じてしまう。 気持ちと身体が日に日に分離していく。 前から心と身体の反応の解離には戸惑っては居たが、今日は特に酷い。 お昼に吉高先生と話して小さくても希望が見えたからかもしれない。 俺は雑念を振り払う様に頭を振ると、意を決して手を動かす。 「くっ。くそっ…なんでこんなっ!」 グチュブチュブチュッという音を立てて孔をかき混ぜると指の間から白濁した液体が溢れてくる。 タイルに落ちて、そのまま水に乗って排水溝に吸い込まれていく。 息が荒くなっていくが、シャワーの水音にかき消されてしまう。 壁に額を当てるとタイルの冷たさに冷静になってくる。 胎内に少しお湯が入って来ることも気にせずそのまま作業を続けた。 全部掻き出せた頃には流石に疲労困憊で床に膝をつく。 肩で息をしていると自分でも思うほど息が上がっている。 昼に仮眠を取ったとはいえ、瞼が重くなってきた。 俺はのっそりと立ち上がりもう1度石鹸で身体を清めてから浴室から出る。 バスタオルで身体と髪を拭いて、バスタオルを籠へ放り込む。 もう一度首輪を首に通すと大きく息を吸い込んだ。 「もう少し…もう少し…」 自分に言い聞かせる様に呟いて、俺は風呂場を後にする。 廊下には精液でできた水溜まりが所々に点在しているのでそれを片付けていく。 雑巾を出すと片付けるのが面倒なので、ティッシュで拭った後に棒が着いたウェットシートで拭いていった。 リビングもピザの空き箱が机の上に散乱しているので片付けていく。 真っ裸に首輪だけの俺がせっせと片付けをする様はさぞ滑稽だろうが幸いな事に男はさっさと寝てしまっている。 片付けを済ませて寝室に向かった頃には、男の大きなイビキが部屋に木霊していた。 一応自分の部屋と言うものは存在しているが、何度引っ越しても自分の部屋は使ったことが無い。 どうせ男の気分次第で抱かれるのだから、家の何処に居ても一緒だ。 俺が寝ていようが何をしていようが、俺には拒否権など無いのだ。 俺はつかの間の休息を得るために男の横へ寝転ぶ。 すぐに睡魔が襲ってきたので、俺は睡魔に抗わず眠りについたのだった。

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