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第11話

「行ってきます!」 「気をつけてね!」 キッチンでまだ後片付けをしている母さんの背中に声をかけると母さんも片付けをしながら答えてくれる。 毎朝のなんの変わりもない光景。 何が変わったのかというと先輩にさよならしたのと親友に対しての気持ちの変化だ。 まだそれが恋愛感情なのかと聞かれたら分からないけれど今は親友が一番大切な存在。 「あっ!」 「よっ、亜樹」 玄関のドアを開けると誠也が立っていた。 いつもは学校で会うのに今日は僕の家まで来ていたのだ。 「どうしたの?」 「うん、今日から一緒に学校行かないか?」 「良いけど誠也の家からだと遠回りになるよ」 「そうだな、でも卒業まで一緒に登校したいんだよ」 そんな照れた顔をしながら言われたら僕は勘違いしそうになるよ。 誠也は女の子が好きなのに、僕でも好きになって貰えるのかとか考えてしまう。

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