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第10話
先輩とお別れした実感はまだ無いけれど卒業式の日からを思えばこれで良かったんだよね。
僕は朝目が覚めて布団の中でそう思った。
「よし!今日からは新しい生活として始める!」
勢いよく起き上がると僕は手際よく学校へ行く準備をした。
「今日は、起こさなくても起きたのね」
「あっ、うん」
部屋のドアを開けて母さんがにっこり笑いながら言ったのだ。
いつもは、起こされないと起きない僕がもう準備が出来ていたからだ。
母さんはそのまま下へと降りて行った。
僕もカバンを手に取ると下のリビングへ行ってカバンをソファに置くと部屋中に朝食の良い匂いが漂っていた。
起こされてた時はいつもギリギリで余裕が無かったから気付かなかったけど朝食の匂いってなんだか心が落ち着くなと思った。
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