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第9話
それより大切な事を誠也に話さなきゃだ!
「あの、僕ね。先輩にもう会わないと言ったよ」
「そっか、頑張ったな」
優しく微笑む誠也。
本当にドキドキとしてしまう。
「うん、ありがとう誠也」
「俺らは親友だろ?お前の笑顔が見れれば俺はそれで良いんだ」
「うん」
僕の前髪をクシャクシャとして笑いかけてくれる誠也。
ずっとそばに居たい。
親友としてでもいいから誠也の隣で笑っていたいと願った。
「俺、そろそろ帰るわ」
時計を見ると7時前だった。
誠也には門限は無いが家族とご飯を食べることにしているらしい。
誠也の家は僕の家から歩いて15分。
7時過ぎに僕の家を出れば夕食には間に合うのだ。
「また明日ね。誠也」
「また、明日な亜樹」
笑って手を振り帰って行く誠也の後ろ姿を僕はずっと眺めていた。
仲直り出来て良かった。
ずっとこれから先も誠也と一緒に笑ったり泣いたり怒ったりして行くんだ。
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