16 / 100
第16話
「香奈ちゃん・・・」
香奈ちゃんに聞こえているかは分からない。
誠也を好きだから毎日コンビニで待っていたんだと思う。
少しでもそばに居たいから相手が自分を好きじゃなくてもそばに居たい。
香奈ちゃんの気持ちは痛いほどわかるから僕は何も言えなくなってしまった。
それに、僕と誠也は親友だ。
付き合っている訳でもなくて誠也から好きと言われた訳でもない。
だったら3人で登校する方向で考えた方がいいのか?
僕が悩んでいると香奈ちゃんの親友が来て慰めながら香奈ちゃんと席に着いた。
「そんな顔するなよ亜樹」
「でも・・・」
「俺がちゃんとするから安心してろ」
そう言って笑うと誠也も自分の席に戻っていった。
本当に大丈夫かな?
好きな気持ちはそう簡単には消えないんだよ。
ともだちにシェアしよう!