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第15話
「酷いよ!そう思わない亜樹君」
「あっ・・・えっと・・・・」
「やめろよ。亜樹は関係ないだろ?」
関係無くはないよ。
だって香奈ちゃんが1人で登校することになったのは誠也が僕と一緒に登校したからだ。
けれどこれからもずっと香奈ちゃんが1人で登校する事になる。
僕が誠也の申し出を断れば良いのだけれどごめんね。
前だったら断ってたよ。
けれど今は誠也と少しでも一緒に居たいと思ってしまうんだ。
「ごめんなさい。香奈ちゃん」
「亜樹?」
「これからは、僕と誠也は一緒に登校する事にしたんだよ」
香奈ちゃんは僕が何を言ったのか理解出来ていなかったが誠也は嬉しそうに笑っていた。
「香奈、俺は亜樹と卒業するまで登校するからごめん。待たないで欲しい」
「えっと・・・私も一緒にはダメ?」
「方向が違うから無理だ」
誠也の言ったことに香奈ちゃんの目から涙が零れ落ちた。
そして香奈ちゃんが声を出して泣き出してしまった。
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