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第33話

いつのまにか涙は止まっていたけれど未だに顔を上げられず返事ができていない。 「亜樹が本当に好きだ」 何度も誠也はそう言ってくれてるのに僕は一回しか言えてない。 ちゃんとやっぱり言葉にしないとダメだ。 「誠也・・僕も好きなんだ」 「うん、ありがとう亜樹」 「うん」 「泣き止んだみたいだから帰るか?」 「うん」 もしかして僕が泣き止むまで誠也は待っていてくれたの? 先輩なら泣こうが関係なく帰っていた。 酷い時はヤッて僕が後処理まだなのに帰られた事もあったよ。 誠也は大切にするからと言ってくれた。 ずっと大切にされてるのは伝わってきたよ誠也。 これ以上、優しくされたら僕は夢だと思ってしまうかもしれない。 ずっと先輩に優しくされる夢を見ていたから誠也の事も夢じゃないかと思ってしまいそうだよ。

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