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楼主編
その日、楼主は双子の男娼の一人である苺を呼び出していた。
呼び出し場所は当然座敷牢だ。
座敷牢とはこの淫花廓で規律を破った男娼が罰を受ける場所、いわゆる折檻部屋だ。
しかし苺(双子)が座敷牢に呼び出しをくらうのはなにもこれが初めてではない。
この双子、とにかく楼主の手にも追えないほど奔放で淫花廓でも問題児中の問題児なのだ。
兄である菖蒲はとにかくセックス中毒だ。
客が好みでなくとも逸物さえついていれば誰にでも発情できるほどのど淫乱。
加えて被虐の質がある。
しずい邸にいる男娼でセックス好きのキクという男娼もいるが、モラルや知性がある分まだ可愛らしい。
菖蒲は少しの間、双子の苺とは別邸になるしずい邸にいた事がある。
しかし、すぐに危険因子としてゆうずい邸に送り返されてきた。
なぜなら、同じしずい邸の男娼にまで発情していたからだ。
男衆の目を盗み、本来受け身でなければならない同じしずい邸の娼妓のモノを咥えこんで喘いでいたと聞いた時は、さすがの楼主も卒倒しそうになった。
弟の苺は気が強い。
気が強いを通り越して、サディストだ。
相手を征服する事によって喜びや性欲を感じるタイプである。
兄である菖蒲を平気な顔で調教するし(苺曰く兄の発情を抑制している親切心らしい)、マゾ気質のある客を見抜くのも上手い。
しかし苺にも問題があった。
それは身体改造への異常な欲求だ。
改造というと大袈裟だが、例えばピアスだとかタトューだとかスプリットタンだとか、そんなものに興味があるらしい。
ここ淫花廓では客であっても男娼であっても男娼の身体に傷をつける事は許されていない。
たとえそれが自分の身であったとしてもだ。
しかし苺は隙あらば男衆や楼主の目を盗み、自傷行為をしようとする為、こうして度々苺を呼び出して身体に傷などつけていないかチェックしているわけである。
「また客が来る前に二人で遊んでいたらしいな?」
呼び出された双子は、楼主の鋭い眼差しに見据えられて一瞬身体を強張らせた。
呼び出したのは苺だけだというのに、苺の隣には菖蒲も一緒になって座っている。
さしずめ一人で折檻を受けるのが嫌だったのだろう。
苺の目が一瞬游いだのを楼主は見逃さなかった。
何かを察知した楼主は、苺の顎を捉えるとクイと押し上げる。
「口を開けてみろ」
「…………」
頑なに閉じる口の中に指を突っ込み、逃げうつ舌を捕まえると無理矢理引っ張り出す。
予想通りだ。
真っ赤な舌先にはまだ開けたばかりのようなピアスホールがあり、どこで手に入れたのかブルーのジュエルトップをはめ込んだバーベルが付いていた。
「こいつはなんだ」
咎めるように強い眼差しを向けるが苺は怖気づく事なく挑発的に目を細めてくる。
「タンピくらいいいじゃないですか。これしてるとフェラが気持ちいいらしいですよ?客も喜ぶし、俺も気に入ってるし結果オーライでしょ」
飄々と答える苺に、楼主の眦がジリジリと上がっていく。
「勝手な真似すんじゃねぇ、お前は商品だ。ここにいる以上お前の身体は楼主である俺のもんだ。たとえ手前でも傷一つつける事は許さねぇ。何度も言わせんじゃねぇよクソガキが」
「まぁそうカリカリしないで下さいよ。しわ、増えちゃいますよ?男前が台無しじゃないですか。あ。そうだ、タンピフェラ試してみません?きっと気に入っていただけますって。ほら菖蒲、お前もこっちに来てご奉仕しろよ」
二人のやり取りをぼんやりと眺めていた菖蒲が苺に呼ばれてのそのそとやってくる。
その顔は既にトロリと蕩け上気していた。
尻がゆらゆらと揺れている事に気づいた楼主は大きく溜め息を吐くと、菖蒲の丈の短い着物を捲りあげた。
「あっ…!!」
うつ伏せになった菖蒲の下着をつけていない丸い尻が晒される。
楼主の思惑通り、菖蒲の後孔は淫具をずっぷりと咥えこんでいた。
「ったく…お前もどうしようもねぇ淫乱だな。何を仕込まれてる?」
楼主はそう言うと淫具がみっちりと埋められた窄まりから飛び出しているストッパーに指をかけ、グリグリと捻った。
「あっ、あっ、あ、アナルパール、です」
顔を真っ赤に染めて恥ずかしげに俯くが、その口元は被虐の期待に微笑んでいる。
本当にどうしようもない淫乱だ。
楼主は指先に引っ掛けたストッパーを握ると思い切り引き抜いた。
「やあああっ…っゆっくり…ゆっくり抜いてぇ!!」
ブポッ、ブポッ、と卑猥な音をたてながら連なったパールが尻孔から飛び出していく。
「おいおい、てめぇのケツの孔はどうなってんだ?」
ゴルフボール大の大きさの球が次々と窄まりから姿を見せる様子に楼主は呆れた声を上げた。
「ご……ごめんなさいぃっ…」
謝りながらも菖蒲の顔は喜悦に溢れ、襞を捲りあげながら出ていく淫具の感覚に酔いしれている。
菖蒲はあんあん喘ぎながら腰を振ると、遂に前から蜜を噴き上げた。
ズルリと抜けたアナルパールは菖蒲の腸液と愛液と仕込まれたローションでぐしょぐしょに濡れている。
楼主はふん、と鼻をならすとパールを投げ捨てた。
「こんなもんで俺を懐柔しようとしてたのか?全く甘く見られたもんだ。てめぇらにはキツイ仕置きをくれてやる。特に苺、お前には泣いてもらうから覚悟しとけ」
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