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撮影のお仕事2-3
制服に着替えた諒馬。
諒馬が気付くと玲音が何か苦戦していた。
「ちょ、諒馬くーん、制服っていうか……ブラ付けるの手伝ってよ」
「はい……?」
どうやら着替え終えた諒馬の姿を見つけたらしく玲音はそんな諒馬に声を掛ける。
「だから、ブラ付けるの手伝ってってー」
「どういうこと!?」
「流石に僕だって、今迄、ブラなんて付けたことないからさ、難しいっていうのか、後ろに付けるホックが付けられないっていうのか」
「あ、ああ……そういうことね」
そう納得し諒馬は立ち上がると玲音の後ろに立ちホックを掛ける。
「……って、女性って、よここんなに難しいの付けられるよね?」
「って、何で、こんなに難しいのに後ろに付いているんだかねー」
やっとブラのホックを付けられた玲音は溜息を漏らす。
「ま、今は前で付けられるタイプもスポーツブラって言って肌着のように付けられるタイプもあるみたいだけどね……そこは社長の趣味なんじゃない? それか、そういうタイプのが見当たらなかったとかね?」
とまたもやいきなり京平は会話に入ってくる。
「あー! 成る程ー!! 社長さんの趣味ってことね」
これでやっと三人は着替えることが出来たようだ。
その頃にはスタッフの準備の方も整ったようで、
「こっちの準備も整いました!」
と言う声が部屋内に響き渡る。
「はーい!」
そう三人も返事をするのだ。
今日は三人でホテルに来たという設定らしい。 現実では絶対にあり得ないのだけど撮影というのは現実ではあり得ないことをやれるのだからこそ、それはそれでいいのであろう。 そうだ視聴者の夢みたいなもんなのだから自分達はその視聴者に夢を与えて上げればいいという仕事だ。
「スタート!」
と言うスタッフの声で撮影がスタートする。
「玲音ちゃんは本当に可愛いよね……だから、今日は三人でシないか?」
いきなり京平のアドリブからスタートする。
ここの撮影は全部、男優に任せられているのだから誰かがスタートしなければ始まらない。
流石は京平だ。 この仕事に慣れているのだから、もう自分の頭の中ではもうストーリーみたいなのが出来ているのであろう。
「……へ? あ、うん……いいよ……」
と玲音は京平に合わせて台詞を考えている。
「マジ、本当!?」
そう諒馬も負けじとその中に入って来ているようだ。
「うん……私……二人共、好きだから、二人にならいいと思ってるからね」
「じゃ、いいって訳だ」
「うん……」
玲音はそうモジモジと恥ずかしながら答える。
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