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撮影のお仕事3-11

 ……そういう風に言う京平はホントこういうことに慣れていると思う。  カメラマンもその京平の言葉で京平の後ろへと周り、その姿を撮っていた。  京平はローションを手に乗せると玲音の後ろの蕾にゆっくりと指を入れていく。 「んん!」  玲音は本当にそういう声を出しているのかはたまた演技で出しているのか分からない。  俺はそんな玲音を下から見上げる。  すると玲音の顔がしっかりと見えて瞳には涙を溜めていた。  玲音の場合、瞳を潤ませている時というには気持ちいい時に決まっている。 「ココに力入れないで……奥に指入らなくなっちゃうから」  そう京平は甘く低い声で玲音に向かい言う。  きっと世の女性達は京平の声だけでやられてしまうかもしれない。 と本当に思う。  だから京平と玲音が出ているDVDは売れているのかもしれない。 京平目当てで買う人や玲音目当てで買う人もいるのであろう。 ま、俺はおまけみたいなもんだろうけど。 元からこの二人のおかげで売れていて3Pになったらもっと売れたってことになるのかな? 「力って……無理だよぉ……」  この時だけは玲音は洋服を噛むのを止めたみたいで、そう返事をしていた。  玲音の声だって本当にそういう声向けなんであろう。 玲音の場合、京平とは違って甘くて少し高い声。 しかも年の割には体が小さくて視聴者ウケするのかもしれない。  ……あ、やっぱ、俺は本当にこの二人のおまけみたいなもんだ。 だって何も取り柄とかないしなぁ……。 平凡、普通……が取り柄!? 「じゃあ、痛くなっちゃうけどいい?」 「いやぁだぁ、どうせなら、気持ちいい方がいいもん」 「だよねぇ、なら、力入れないで……」  そう京平は玲音の耳側で囁くように言っている。 「ぁあん! それ……僕弱いぃ……」 「君は耳も弱いんだね……」  その玲音の反応に京平はまたクスリとしていた。

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