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 そんな事を考えているうちに僕はどうやら眠りについてしまったようだ。  次の瞬間に京平に起こされる。 「玲音……」  と優しい京平の声。 「玲音、そろそろ起きようか?」  また優しい京平の声。  ……あ、今度は僕の頬にキスしてくれる。  そして僕はゆっくりと目を開けていた。 「ん……京平……おはよう……」  その言葉に京平はクスとしている。 「おはよう……なのかな?」  そう言われて少し半身を起こすと僕は辺りをキョロキョロと見渡す。 「あ、あー」  ……そうだった。 今は朝ではなかったんだ。 まだ撮影の途中っていうのかな?  僕は完全に半身だけを起こすと京平の事を見上げる。  それに気付いてくれた京平。  今度は唇にキス。 「起きた?」 「うん、京平のおかげで起きれた」 「それなら、良かった。 じゃあ、お昼食べようか?」 「あ、うん」  そう言って二人してベッドの上から降りる。  そして諒馬君が座っているテーブルの方へと向かうのだ。  豪華なテーブルにロケ弁と不釣り合いなんだけどそこは仕方がない。  確かに今日はこういう豪華な家を借りて撮影をしてるのだけど、そう豪華な料理がテーブルに並べられているっていう訳ではなく、そこは現実と言うのであろうか?  そう豪華な料理はやっぱ夢みたいな感じでロケ弁っていうのが現実っていうのかな?  ……ま、いっか。  そう現実の方に視線を戻すと僕は諒馬君の隣へと腰を下ろす。  昼寝してスッキリして諒馬君にちょっかい出す気満々でだ。  あ、因みにもう僕達は一応ガウン程度は着ている。 流石に食事をする時は裸ではね……と思ったからだ。

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