426 / 568

僕達の休日67

 抜く瞬間だって気持ち的に気持ちいい。 「これでいいかな?」 「う、うん……」  そして僕はまた京平の上に乗っかる。  京平って何もしてないのに胸の筋肉もある。 勿論、腕の筋肉も……。 「どうしたら、こんな腕とかになるの?」 「これ?」  と言って京平は腕の筋肉を指差す。 「学生の頃は水泳やってたからね。 でも、勝てなかった……。 だから、プロになるの諦めたっていうのかな? プロっていうか……選手にね……」 「そ、そうなの!?」  今日、初めてそんな事を聞いたような気がする。 「小さい頃からそいつとやってきたんだけど、全然そいつには勝てなくてね。 それで、諦めたんだよ。 そいつに勝てなきゃ選手になんてなれなかったし、だって、全国にはそいつ以上の実力者はいる訳だろ? だから、辞めたんだ」 「そうだったんだね」  こういう事ってプライベートでしか聞けない。 だから、ある意味聞いてみて良かったとさえ思える。  ……ま、いいか……京平が水泳の選手になれなかったこそ、今は僕の恋人なんだからさ。 だって、もし、京平が水泳の選手になっていたら、僕からしてみたら京平は雲の上の人になってた訳なんだし。 それでなくても京平はイケメンで、人気がある選手になるのは間違いなかったと思うしね。  運命って枝分かれしてるっていうけど、そうなのかもしれない。  京平がこっちの道に来てくれたから僕と出会えたんだし……。  京平が未だにそっちの道に行っていたら僕達は多分出会えなかった訳だし……。  運命って色々な意味で使われるけど、恋人を繋げる道もあるんだよね。  僕は京平に出会えて良かったって思ってるよ。 END NEXT→『僕の彼氏はAV男優』

ともだちにシェアしよう!