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初体験 ステップ4
だから頰を更に膨らませてソファで待ってるしかなかった。
この仕事は好きなんだけど……このみんなの事を待ってる時間が嫌なんだよねー。
じゃあ、スマホゲームやろう!
そう思ってスマホのアプリを開こうとした直後、ドアが開いて息を切らしてリュックを背負った諒馬君が立っていた。
「お、遅くなりました!!」
その諒馬君の言葉に京平もスタッフも諒馬君の方に視線を向ける。 そして京平は諒馬君に向かって、微笑むと、
「そんなに息を切らせてどうしたの?」
って聞いていた。 確かに、わざわざ走ってここに向かって来たのかな? って感じだしね。
「え? だって……時間に遅れそうだったんで……」
「……へ? 大丈夫だよ。 スタジオに入るの……後三十分あったしね。 まだ、全然遅刻でもない時間なんだけど?」
と寧ろ、京平の方が諒馬君の行動に不思議そうに首を傾げていた位だ。 そう京平の言う通り、まだ撮影の時間まで時間があるのに、諒馬君は走って来たんだろ? そう思ったら僕の場合には即実行。 未だに息を切らしている諒馬君へと近付くと、
「ねぇねぇ、どうして、そんなに慌てて来たの?」
「……はぁ……はぁ……だって、遅刻してるって思ったんだよね……」
「……遅刻? だって、今日の時間は十一時からでしょう? もしかして、諒馬君は十時からだと思ってた?」
「……そういう事かな?」
そう天井の方を向いて間を空けて答えた諒馬君。 そういう行動をするって事は本気でそういう事なのかな? ホント! 諒馬君ってたまに抜けてるところあるよねー。 そういう所が面白い所なんだけどー。
ま、とりあえず諒馬君が来たしー。 僕一人じゃないから、諒馬君とこの新しいスタジオ内を探検しようかな? そう! 僕は一人で歩き回ると絶対的に迷子になってしまって、ここに帰って来れる自信がないから、初めて来た所っていうのはさー、こう誰かと行動しないと動けないんだよねー。
これで僕が飽きないで済んだかな? だって諒馬君が来てくれたんだもん。
そこで僕は早速、諒馬君に提案する事にした。
「ねぇねぇ、諒馬くーん……」
とそういう所は甘えながら聞いてみる。
そんな僕に諒馬君は目をパチクリとしながら見つめて来るのだ。
フフ……そういう所、僕の作戦成功っていうのかな?
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