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初体験 ステップ5
「ここに初めて来たし、時間があるしさぁ、探検してみない?」
その僕の言葉に諒馬君の方は、指を唇に当てて天井の方に視線を向けて考えてくれているみたい。
「でも、大丈夫?」
「……何が?」
諒馬君のその質問に僕はそう聞いてしまっていた。
「撮影の時間までに戻って来れるかな? って事……」
「だって、このスタジオって広そうに見えて狭そうじゃない? だから大丈夫だって! もしかして、何気に諒馬君も方向音痴だったりしてー」
そう僕の方はふざけて言ったつもりだったのだけど、まさかのまさかで……どうやら諒馬君も方向音痴だったとは思ってなかった事だ。
「……あ、まぁ……方向音痴なのかな? だから、今日だって早く出てきたんだよねー。 挙句、遅刻したーって思ってたし」
「でも、諒馬君の場合にはここまで来れたんでしょう?」
「まぁ、俺の場合は、人に道聞いて来るからさ」
……あ、そういう事だったんだー。 まぁ、僕の場合には、こう前に出るようなタイプではないから、人にはあまり聞かないかなぁ? まぁ、信じれる人だったら声を掛ける事は出来るのだけど……そう、小さい頃なら、お巡りさんとかね。
「でもさ、これ位、小さいな建物内なら流石に迷子になったりはしないでしょー」
「多分、そうなのかもしれないけど……やっぱ、自信ないかな?」
って、事で諒馬君はそう言うもんだから、僕は頰を膨らませてまで諒馬君の事を見上げる。 だってだって、本当に暇なんだもん! でも、まぁ……諒馬君が時間間違えて早く来てくれたおかげで時間潰し出来る相手になってくれるからいいか。 まぁ、探検の方も捨てがたかったけどね。 ま、いいや……。 と僕はそう思うと、さっきのソファで諒馬君と話始める。
しかし、一人でいる時っていうのは、本当に暇だったけど、諒馬君と話をしているだけで時間っていうのはあっという間に過ぎていってくれたようだ。 それと京平の方も打ち合わせが済んだようだしね。
京平は僕達の方に顔を向けて、
「じゃあ、そろそろ、スタジオの方に向かおうか?」
その京平の言葉に僕は思いっきり返事をすると京平の腕に腕を絡ませて、一緒にスタジオの方へと向かうのだ。
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