521 / 568

初体験 ステップ26

「え? あ、ぅん……」  京平がそう言うもんだから、僕は自ら京平の唇に唇を重ねる。  ……ん……なんか変な感じ。  もしかして僕って今まで自ら京平にキスした事ってあまりなかったのかな? だって殆ど京平の方がプライベートでも仕事でも先に動いてたからね。 でも、攻めるのは京平。 自分の中である意味、混乱しそう。 僕が京平の事攻めるって事はした事がなかったからなのかもしれないのだけど……。  でも体は正直っていうのかな? だって僕の方は京平にキスしながらも、体を上下に動かしてしまっていて、モノを京平の体っていうのか、洋服に擦り付けてる感じっていうのかな? それに僕は完全に京平の上に乗っかってるって感じなんだよね。 だって京平の身長は180センチあって、僕の身長っていうのは155センチ位しかなくて、こうなんていうの? 身長差カップルともいうんだけどね。 でも、僕的にはそれでいいんだよね。 だってだって京平はカッコいいんだもん。 それに体格だっていいしねー。 細マッチョっていうの? もう! 完全な理想のタイプだしー。 今風で言うとスパダリっていう感じなのかな? ほら家事とかも出来ちゃうんだもん。  ま、まぁ……京平の魅力はいいとして……。 そうは言ったものの、後はどうしたらいいんだろ?  僕はそこで考えてしまう。 確かにこういう状況の場合、ネコはどうしたらいいんだろうか? 確かに僕からやってみたい! って言ったんだから、やらなきゃいけないんだと思うのだけど……でも実際問題、こういう事ってやった事がないから分からないって言った方がいいのかな? あ! そうだ! 寧ろ、今日は成都さんが諒馬君にそうやり始めたんだから、成都さんのを見ながらやればいいって事なのかー!  そう一人納得すると、こっそりと成都さんの方に視線を向けて、成都さんの様子を伺う事にした僕。  ん? だけど……成都さんがじゃなくて諒馬君が結局、成都さんの事を気持ち良くしてる? ほら、だって諒馬君が成都さんの方に手を伸ばして胸の突起に触れたりしてるじゃない? しかも着衣のままだから服の裾を捲って……。 それで成都さんは諒馬君の上で乱れるようにピクンっ! ピクン! って跳ねてるし……。  こうホント人のを間近に見れる事なんてホントある事じゃないから、なんていうのか新鮮っていうのかな? しかも僕達の場合はこういう仕事をしてるから見せる立場だけど、今日は諒馬君と成都さんに見せられてるって感じなんですけどー。  そうなってくると僕の方に火が付いて来る。  成都さんに出来て僕が出来ない訳がないじゃんか!  という変な嫉妬心。  今度はちゃんと京平の方に視線を向けると、自分の中でありとあらゆる知識を使って、京平の事を誘い始める。

ともだちにシェアしよう!