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初体験 ステップ50

 もしかして京平っていうのは、プライベートでは嫉妬深い性格をしてるのかな? 今までそんな素振りを見せた事はなかったけど、いや、寧ろ、こうプライベートで諒馬君達と一緒にやった事がなかったから今初めて気付けた事なのかもしれない。  そう僕の声が他の人に聞かれないように僕の唇をキスで塞いでくれてるって感じだもんね。  フフ……京平って本当に僕の事好きでいてくれたんだ。 だって京平って普段が普段でクールっていうのかな? 僕の事をこう好き好きアピールみたいなのはしてくれないっていう感じだったから、ちょっと僕的に『京平って本当に僕の事が好きなのかな?』って疑ってた部分もあったけどね。 でも今回ので僕の方が安心出来たかも……。 それに京平は僕にだけ優しいじゃない? そんでもってさりげなく僕の言う事聞いてくれてるしね。  僕だけが京平の事好き。 こう一方通行な恋っていうのか、僕が京平の事、好き好きって言ってるように思えてたけど、京平も僕の事が本気で好きなんだっていうのが分かって良かった気がする。  僕は京平の唇から勝手に離れると京平の胸板辺りに顔を埋める。  あ、京平の匂いがする。 なんていうのか、京平の匂いって男らしいっていうのかな? でも、ちょっとは香水の匂いもしてるのかも。 僕的には香水の匂いっていうのはあんま好きではない。 だから僕的には好んで香水を付けるって事はしないけど、京平の場合にはほんのりって感じなのかな? でも、なんかこう悪い感じがしない香水っていうのかな? 心地よい位の香水の匂いだ。  え? もしかして京平……僕は何も言ってないのに香水嫌いなの知ってて軽く付けるだけっていう感じになった? 確か前はもっとこう香水の匂いがキツかったような気がする。  だけど思うのだけど、香水って若い人が付けるイメージなんだよね。 だって逆に旦那さんが居る人や子供が居る人っていうのは、香水を付けてないように思えるからだ。  なんかさ、そう考えると若い人は恋人を作る為に香水っていうフェロモンを出してるっていう感じになってくるよね。  しかし今日は京平の色々な所に気付けたように思える。  確かに普段から僕には優しかったのは分かってたんだけど、その他諸々とね。  そう僕が色々と考えているうちに僕が急に動かなくなってしまってたようで、京平にこう腰をビクと動かされる。 「……ぁ……ちょ、ちょっと! きゅ、急に……んん……動かさないでよっ!」 「だって、また、何か考え事してたでしょう? 玲音の腰動かなくなってしまってたしね」 「あ……」  そう京平に図星を突かれてしまった僕。  でも、そんな僕に京平はニコとするだけだ。 「……で、どうするの?」  再びそう京平に聞かれてしまった。 「これで、二回聞いてるんだけど……? もし、次同じ事を聞く事があったら……私が動くからね」  そんな言い方は厳しくは無いのだけど、言葉にトゲがあるように思える。 若干、京平の事を怒らせてしまってるって感じなのかな?

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